静岡県の富士山周辺、最強の観光スポットすべてめぐった!

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静岡県といえば富士山あり、駿河湾などの豊かな海あり、温泉からアウトレットモールまであるとして、日本の中でも人気の観光県として知られている。そして観光客のお目当てといえば、やっぱり静岡県の随所から眺めることのできる富士山や、それにまつわるスポットだ。

ゴールデンウィーク到来間近、静岡県の富士山周辺の人気スポットを徹底的にまわってみた。

富士山周辺にはパワースポットがたくさん

富士山本宮浅間大社は縁結びのパワースポット

富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)は、富士宮やきそばでも知られる富士宮市にあり、富士山をご神体として、全国に1,300余ある浅間神社の総本宮。御祭神は、木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)であり、恋愛や安産などのご利益があるとして、近年女性のパワースポットとして知られている。

境内には国の特別天然記念物に指定されている湧玉池があり、清流の中、蒼く美しい水草に、はやなどの小魚が遊んでおり、見るだけで癒やされた。また訪れたのは桜の季節だったのだが桜が満開、女性の御祭神らしい華やかな雰囲気が満ちており、女性ならここにいるだけで美しくなれそうだ。

http://fuji-hongu.or.jp/sengen/
静岡県富士宮市宮町1-1

割狐塚稲荷神社は鳥居が立ち並ぶミステリアスなパワースポット

巨大な溶岩塚の上に鎮座するのが割狐塚稲荷神社(わりこづかいなりじんじゃ)。塚は周囲約80m、高さ5m程の小高くなった溶岩流からできていて、御神域にある塚の亀裂「割狐岩」にはかつて狐が住み、夜な夜な姿を表したという伝説が残る。今でも約80基の鳥居が立ち並び、オーラのある佇まいから地元の随一のパワースポットとして知られているという。


鳥居をくぐりぬけ塚の上まであがってみると、まるで森の中にいるような静けさと、清浄な雰囲気が満ちている。家内安全、商売繁盛、交通安全など様々な御利益があるとして地域の信仰を集めているのもよくわかる。季節によっては満開の桜と、たくさんの鳥居が一緒に見られたり、餅まき、どんど焼き、神輿渡御等の行事も行われる。

静岡県駿東郡長泉町下土狩663
http://www.inarijinja.com/

須山浅間神社はハートマークのパワースポット

富士山の須山口登山道の起点となったのが須山浅間神社。境内には樹齢400年から500年以上とされる15本以上の大杉がならんでいて、聖域としての歴史を感じさせてくれる。境内に立つとピリッと感じてしまうほど清涼な雰囲気のあるところ。パワースポットとして最近人気なのも納得だ。

その一方、境内の灯篭にはハートマークがあり、近年ではフォトスポットや、縁結びのご利益があるとして人気となっている。このハートマーク、本当は猪目(いのめ)という猪の目の形を模したもので、厄災をしりぞけ福を呼ぶという伝統的文様だ。

また地元に不二家の工場があるため、ミルキーが奉納されている。これを参拝者は貰えるのだが、なんと「吉」「大吉」「四葉のクローバー」がついたものが混じっているレアミルキー。筆者は残念ながら当たらなかった、次こそは! 御朱印も可愛いのでおすすめ。

静岡県裾野市須山722
https://suyamasengen3776.wixsite.com/suyamasengen

東口本宮冨士浅間神社はアクセスのよいパワースポット

東口本宮冨士浅間神社は、富士山の須走口登山道の起点であり、富士山信仰の中心地とも言えるところ。富士山が信仰と芸術の源泉として世界文化遺産に登録された際、富士山の構成資産の1つとして、世界文化遺産に登録されている。また創建後まもない平安時代に、弘法大師(空海)が同社にて修行を行い、富士登山をしたという伝説も残っており、最近ではパワースポットとして人気だ。


実際境内に足を踏み入れると、樹齢二、三百年の大樹が鬱蒼と生え、境内には苔むした富士講の記念碑が立ち並ぶ。多くの人々がここで富士登山の安全や、富士山への祈りを捧げたように、その神秘的な雰囲気はいまだに色濃く残っている。裏参道には「根上がりモミ」と呼ばれる三本の樹が絡み合った奇樹があり、縁結びを願う人々に人気があるという。

箱根や御殿場からのアクセスもよいので、旅の合間に同社に参詣し、富士山のパワーを分けてもらうのも良いかも。

静岡県駿東郡小山町須走126
https://higashiguchi-fujisengenjinja.or.jp/

富士山の絶景&アクティビティ

田貫湖キャンプ場&E-bike体験を!

田貫湖キャンプ場は、富士宮市朝霧高原の雄大な自然の中にあるキャンプ場で、美しい湖と四季折々の富士山が同時に楽しむことができる。湖はヘラブナ釣りやボートが楽しめる他、田貫湖周辺にはムササビや県の天然記念物モリアオガエルも生息している、これほど美しい自然の中で楽しめるキャンプ場もそうないだろう。

田貫湖キャンプ場では電動アシスト付き自転車「E―BIKE」もレンタルできる。スポーツタイプでパワーが強いため、きつい坂道もぐんぐん進むことができ、キャンプ場から富士山周辺を周遊して楽しめる。実際乗ってみると田貫湖もほんの数十分で巡ることができた。富士山を眺めながらのツーリングは実に爽快。

https://tanukiko.com/
静岡県富士宮市佐折634-1

大淵笹場の「茶の間」でほっこり

大淵笹場は、様々な企業のCMやポスターなどにも使われる、富士山と茶畑の絶景スポット。年間5,000人の写真愛好家が撮影に訪れるほか、海外の観光客も「日本の美がここにある」として絶賛する場所だ。そんな静岡県を代表する景勝地の一つだが半世紀以上の間、たった4軒の農家が管理していた。現在は「大淵二丁目ささば景観保存会」が有志で維持し続けている。

ここには保存会手作りの木製テラス「茶の間」があり、茶畑と富士山をゆっくり眺められた。こんな「ほっ」とする気分は久しぶり。訪れた際にはぜひとも入手してほしいのが、イベント時に販売されている和紅茶だ。この土地の茶葉を使った紅茶で、外国産の紅茶にはない、自然で柔らかな香りと味を楽しめる。他にも緑茶、ほうじ茶も売っており、こちらもおすすめだ。

http://sasaba.fuji-tea.jp/
カーナビゲーション等の住所設定は、「旧藤田邸(所在地:静岡県富士市大淵1516番地)」で設定
実際の茶園および最寄駐車場の場所は、旧藤田邸から300メートル先

14 Guest House Mt.Fuji と富士銘茶くぼた園

現在ブームの昭和レトロなスポットが多く存在するが静岡県富士市の吉原商店街。東海道五十三次の14番目の宿場町として栄えた街だが、新しい店やスポットも登場し、今若い観光客の注目を集めている。女性客やインバウンドで注目されているのがゲストハウス「14 Guest House Mt.Fuji 」。築50年の空きビルをリノベーションしたもので、アジトのような入り口を入ると中はきれいでおしゃれ。屋上からは富士山の絶景を楽しめるだけではなく、どこかSFアニメのような吉原商店街のレトロで不思議な佇まいが見られて、いつまでも飽きない。

またすぐ近くの富士銘茶くぼた園では、オリジナルフレーバーの緑茶づくりが体験できる。全10種の緑茶やハーブを使い、その場で試飲。オリジナル茶葉の完成後は、商品名を決め、パッケージもご自身でデザイン。予約必須だが、絶対おすすめ。


14 Guest House Mt.Fuji
静岡県富士市吉原3-3-23 4F  澤田ビル(旧澤田耳鼻科)
https://www.14guesthousemtfuji.jp/

富士銘茶くぼた園
富士市吉原2-9-1
https://kubota-ocha.storeinfo.jp/

黒澤明監督も選んだ鮎壺の滝

黄瀬川にかかる鮎壺の滝は、富士山の溶岩が重なありあって出来た高さ約10m、横幅約60mの大滝。県の天然記念物に指定されている他、伊豆半島ジオパークのジオサイトの1つ。景観が素晴らしく、富士山と滝を同時に眺めることができる。鮎壺の滝は、黒澤明監督の「七人の侍」で、三船敏郎が川のなかから魚をつかみ上げるシーンのロケ地にも使われた場所。黒澤監督も選んだ景勝地だ。

滝の名前には、はかつて鮎が滝壺でうずを巻くほど遡上して群れていたという由来や、滝壺が藍のように青く「藍壺(あいつぼ)」のようだったからといった由来があるそうだ。今でも川の中には大きな鯉が泳いでいるのを見ることができる。溶岩により作られたごつごつした岩肌と、大きな滝、そして富士山が揃うこの景勝、ついつい圧倒されてしまった。

静岡県駿東郡長泉町下土狩1080
https://izugeopark.org/geosites/ayutsubo/

水ヶ塚公園は富士山頂にもっとも近い公園

水ヶ塚公園は、富士山頂にもっとも近い公園で、富士山の中腹、標高約1450メートルにある。そのため、同公園からは四季折々の富士山を、どこよりも間近で見ることができる。フォトスポットやスケッチスポットしても有名で、園内にはレストラン、ショップを兼ね備えた「森の駅富士山」もある。また最近ではランニングやウォーキングのスポットとしても人気を博しており、園内にはウッドチップを敷設したクロスカントリーコースも。


森の駅富士山(休業中)ではたくさん富士山グッズが販売されている。

実際に訪れてみると空気は澄み渡り、富士山の姿が圧巻。これを紅葉、雪景色、初夏の新緑、さまざまな季節の中で眺められたら爽快だろう。

ちなみに冬季の雪が積もっている時期には、子どもたちの雪遊びができる場所としても人気だそう。「水ヶ塚公園 雪遊び広場」には無料で、しかもそり遊びができるゲレンデもある。富士山を眺めながらの雪遊び、これはとっても楽しそう。

静岡県裾野市須山2308−5

【水ヶ塚公園】二合目からの富士山。絶景と観光。

富士山周辺の美味しい・楽しい・美しいスポット紹介

御殿場高原時之栖は幻想的な美しさ

今回宿泊したのは「御殿場高原 時之栖(ときのすみか)」で、県東部No.1の広さを誇る高原リゾート、多数の温泉施設・レストランなど充実の施設が集合している。訪れたシーズンには、時之栖イルミネーション2020-2021 「ひかりのすみか」が開催中。全長数百メートルの「光のトンネル」は、時間の流れと共に変化し、幻想的で美しい。また日本一の噴水ショーも大迫力で素晴らしい。



また宿泊ではなくとも訪れたいのが、同施設内になる御殿場高原ビール関連のレストラン。地ビールレストラン「グランテーブル」。ビールを醸造している様子を眺めながら、富士山の湧水とドイツの技術が生んだ地ビールを楽しめる。そしてボリュームたっぷりの、オープンキッチンで焼くステーキやスペアリブ、薪窯焼きのナポリピッツァは最高。

ちなみに時之栖ではワーケーション対応のコテージもあり賑わっていた。

静岡県御殿場市神山719
http://www.tokinosumika.com/

東洋一の美しい湧水が見られる柿田川公園

市街地の真ん中から湧き上がり、日本三大清流のひとつと言われる柿田川(国指定天然記念物)。なんとこの川のはじまり、水の湧き出す様子が見られるのが柿田川公園だ。園内を歩いていると空気も澄んでいて、鳥のさえずりも多い。初夏になるとホタルやサワガニが見られ、鮎が柿田川の浅瀬に大量遡上し、産卵する様子を園内で観察することができるそうで、これはぜひとも見てみたい。


園内には、湧水広場の石畳から湧水に触ることができる「ぽこぽこ湧き間」では、水が湧き上がって砂を噴上げるの体感できる。ちょっとした水遊びができるような場所もあるので、暑い季節は特におすすめ。また日本名水百選にも選ばれたここの名水は、指定場所で自由に飲んだりくむことができるほか、周囲には湧き水を使った飲食店も多い。湧き水を使った、カレー、ラーメン、ところてん、豆腐などがある。

湧水量、美しさに東洋一とも言われたことのある柿田川(公園)は、自然の美しさも美味しさも体験できる素晴らしい場所だった。

静岡県駿東郡清水町伏見71-7
http://www.kakitagawa-kanko.jp/sightseeing/kakitagawa/

クレマチスの丘は、アートとガーデニングの最高の空間

アートやガーデニングが好きなら絶対訪れてほしいのが、美しい庭と4つのミュージアム、カフェ、レストランからなる複合文化施設「クレマチスの丘」。今回は同施設のヴァンジ彫刻庭園美術館を訪れたのだが、アートと庭園の融合がなされる空間は、いるだけで心地よく楽しくなってしまう。イタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの、ユーモラスで風刺のきいた作品も楽しいし、10人のガーデナーが丹精を込めて育て上げたクレマチスガーデンも気持ちよい。



普遍性の高いヴァンジのアートを見ながら、四季折々にうつろいゆくガーデナーたちが作り上げた庭園という芸術も同時に楽しめる、こんな贅沢な空間は他にないだろう。施設の名前と同じくさまざまな品種のクレマチスが植えられており、またそれに合わせた下草など見ているだけであっという間に過ぎてしまう。コロナ禍の中一日も休むことなくガーデナーたちが丹精したという庭園、そして学芸員たちの出色の企画(このときは「小さなデザイン 駒形克己展」)の出会いも、最高に美しく印象深い場所だった。

静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1
https://www.clematis-no-oka.co.jp/

あしたか山麓裾野そば「五竜庵」は通をうならせる香りと風味

地元で大人気の、JAなんすん直営のそば処「あしたか山麓裾野そば 五竜庵」。寒暖の差があるあしたか山麓で育てたそばは香りと風味が天下一品、全国のそば通をうならせている。また地元野菜をふんだんに使っているのもうれしいかぎり。この日は春限定の春菜天ざるそば(1350円、3月3日〜5月23日まで提供)を頼んだのだが、春の野菜の天麩羅も、そばも香り高くて最高に美味しい。またお茶受けがそばの揚げたかりんとうなのも嬉しいかぎり。


隣接している農産物直売所「JAふれあい市」では、あしたか山麓で育ったそば粉が手に入るほか、地元産の新鮮な野菜、また手作りのお惣菜が手に入る。個人的に買いたかったが、この日手に入らなかったのは「小麦まんじゅう」。全国にあるが、裾野市でも素朴な銘菓として知られており、専門店もある。おすすめの逸品だ。

〒410-1118 静岡県裾野市佐野1087-1
http://nansun.ja-shizuoka.or.jp/soba/shop.html

豊門公園は文化と歴史の香りただよう明治モダン

富士山周辺でも、豊門公園は6箇所の登録有形文化財を持つ、明治・大正モダンのかおりのするスポットだ。公園のある小山町の近代化の礎を築いた富士紡績(株)が大正15年(1926年)に整備したのを始まりとしており、「豊門」(ほうもん)は初代社長・和田豊治の「豊」と、富士紡の三門と言われた森村市左衛門・日比谷平左衛門・濱口吉右衛門の三翁の「門」に由来している。

豊門公園は明治40年頃に東京(向島)にあった建物を大正14年に移築したという和館と洋館だが、素人目から見ても圧巻の美しさ。秋になると園内の樹木が見事に紅葉するそうで、それを背景に見ることができたら、それもきっと素晴らしいだろう。

小山町は、御殿場市の隣に位置しており、富士スピードウェイや富士霊園などで知られているところ。東京から東名高速で約1時間の距離にあるので、歴史ファンやアートファンはぜひとも訪れてみては。

静岡県駿東郡小山町藤曲142−7
http://www.fuji-oyama.jp/kankou_02_homonkoen.html