ノルウェー通信大手「Telenor(テレノール)」の子会社で、世界トップ10に入るIoT事業者が「Telenor Connexion(テレノールコネクション)」だ(本社スウェーデン・ストックホルム)。そんな同社は世界進出を目指す日本企業から、厚い信頼を寄せられていることでも知られている。
日本企業でIoTを早くから取り入れてきた日立建機が同社を利用していることや、KDDIとIoT事業での連携をはかってきた実績がある。ポイントは“世界を目指す企業”に、同社の利用が多いことだ。日本国内でも各キャリアなどが企業向けのIoTサービスを展開しているが、それはあくまで国内向け。なぜ同社が海外に向いた企業から選ばれるのだろうか。
180カ国以上の国と地域でコネクティビティを提供
まず、Telenor Connexionは、グローバルなコネクティビティ運用代行から、クラウドベースのIoTプラットフォーム、サービス運用代行までを完全パッケージで提供しており、パートナーとなる企業との連携において、ハードウェアソーシングとソフトウェア開発を含むエンドツーエンドとなるIoTソリューションを実現している。
そして同社はグローバルに展開している企業であるため、同社のサービスを利用すれば、自社の製品を、通信会社にとらわれることなく、世界中どこでもモバイルネットワークに接続することができる。またそれによりネットワークに繋がれた世界中の機器から、データを収集、保存、分析が可能だ。
現在180以上の国と地域でグローバルIoTコネクティビティを提供・管理しており、400位上のモバイルネットワークと接続することができる。これだけの国の数、そしてモバイルネットワークに接続・利用が、同社1社で完結する、その簡便性から多くの海外進出をしている日本企業から選ばれているのだ。
逆に日本では日立建機が同社を利用しているように、世界から見れば、VOLVOカーズ、ハスクバーナグループ、スカニア、Verisure Securitas Direct、 CIMIC HiTechなどの世界的な企業が同社をパートナーとして利用している。
IoT化は企業のコストを圧倒的に削減する
このようにTelenor Connexionの世界的なネットワークを利用して、多くの企業がIoT化を図っていることはお分かり頂けたと思うが、そもそもなぜIoTなのだろうか。
その理由は非常にシンプルで、コスト削減と経営効率改善、カスタマーエクスペリエンスの向上ができるからだ。たとえばコスト削減なら、日立建機のような山間部などの遠隔地に機器(モノ)がある会社なら、その機器の状態確認のために、そこまで人を派遣するといったコストがかかる。また急にそれらが壊れた場合なども同様だ。
だがこれらの機器をネットワークにつなぐことで、機器を遠隔地から監視・モニタリングすることができ、また機器の故障を事前に予測することで故障時間を減らすことができる。また在庫やスペアパーツなどの管理も容易になる。そのために、上記のようなコストの削減が可能となるのだ。
またダイレクトにモノからデータを収集することができるので、実際のデータに基づいたカスタマーサービスや、あらたな形のビジネスモデルが可能となる。
たとえば、Telenor Connexionによる事例によれば、これまではコンテナを販売していたメーカーCMIC社は、コンテナをIoT化することで、それらをネットワーク上で管理することができるようになり、その結果、サブスクリプション型のサービスとして展開することができるようになったという。
アジアでのさらなる躍進
Telenor Connexion社のアジア太平洋地域における戦略として、地域としての重点化、自動車及び重機、交通および物流などの特定産業に対しての垂直的重点化、顧客満足度の向上を目指していくという。
現在ですら世界トップ10位内に入っている同社だが、今後日本をはじめとしたアジア圏の企業からの厚い信頼もあり、ますますその勢力を伸ばしていきそうだ。