テイクアンドギヴ・ニーズのCSR活動に感動の涙 イベントで親子らが感謝と絆を再確認

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズは、婚礼大手の中でも多くのCSR(企業の社会的責任、corporate social responsibilityの略)に取り組んでおり、またその内容もユニークで意義のあるものとして注目を集めている。

この夏には地域活性化活動として、同社が運営する結婚式場を活用し、地域の子どもたちに学んでもらう『T&G キッズプロジェクト』を全国26会場で開催。

今年で3回目となる同プロジェクトは、「婚育」「食育」「仕事体験」の3つのプログラムを「結婚式」を通して学ぶことができる体験型イベントとなっており、今年も多くの親子が参加をした。

「婚育プログラム」で親子の“絆”や“感謝”を伝える

今回取材を行ったのは、同社ならではのユニークな「婚育プログラム」。結婚式を“想いを伝える場”として、普段伝えられない想いを伝える大切さを再確認しようというものだ。結婚式クイズ、演出体験、模擬挙式を体験した後、親子それぞれが普段言葉にできない想いを手紙に書くといった内容が用意され、“絆”や“感謝”、コミュニケーションの重要性を親子に学んでもらう。

一般的にはお披露目的な要素の強い印象がある結婚式を、親子という参加者層に合わせて“想いを伝える場”に捉え直しているのは、結婚式の本質を深く知っている同社ならではのものだろう。

8月19日(月)にヴィクトリアガーデン恵比寿迎賓館には多くの家族連れが参加。結婚式場に訪れたことがないという子どもたちも多く、式場の豪華な雰囲気に表情を輝かせていた。

はじめの「結婚式クイズ」では「結婚指輪は、なぜ左手の薬指につけるのでしょうか?」といった質問がされると、子どもたちは悩みながらも元気よく手をあげ、間違っていてもその意外な答えを興味しんしんといった体で聞いていた(ちなみに答えは「昔、左手の薬指と心臓が1本の血管で繋がっていると信じられていたから)。

その後の新郎新婦役を迎えた模擬挙式では二人が愛を誓い合う瞬間に、子供たちが顔を赤らめる瞬間も。周囲の大人たちはその愛らしい様子に微笑んでいたが、子供たちの眼差しは真剣そのもの。そしてその後には屋上のガーデンで、新郎新婦に子供たちが楽しそうにフラワーシャワーを浴びせた。

人間関係の希薄さ、儀礼への参加機会の減少から、こうやって心から誰かを祝うことの楽しさをロールプレイすることは、今の子供たちに重要なことかも知れない。

そしてテイクアンドギヴ・ニーズのスタッフも涙ぐんでいたのが(恥ずかしながら筆者も)、この後に行われた子供と親のメッセージカードの交換だ。

涙涙のメッセージカード交換会


両者分かれて別々の部屋で相手へのメッセージを書くのだが、参加した一人の女の子は“ママのことを考えると”と、手紙を書く手が止まるほどの号泣。その後、スタッフから手渡されたハンカチで涙をふきながら一生懸命書いていた。その後の交換会では、再度涙を流しながら手紙を読み上げた母親も、涙ぐんで彼女を抱きしめていた。

また印象的だったのは、場内で母親と意見が合わずにスネていた女の子がいたのだが、しっかりと「お母さんいつもありがとう」と書いていた(交換会でこれを読んだお母さんが号泣したのはいわずもがな!)。

企業のCSR活動はともすれば主催側の自己満足に終わりがちだが、今回の親子のように参加者をしっかりと主役に据え、感動をもたらすほどの機会を与えるということはそうそうない。

そしてはじめのクイズ後に「結婚式のイメージは?」と子供たちにアンケートを行い、これら一通りのプログラムが終わった後には、同様のアンケートが行われた。はじめには落書きなど大して関心もなかった子供も、2回目には「幸せになれる日」「感動した」「大切な日」などと書いていたのが印象深い。

自主性を持ったCSR活動

テイクアンドギヴ・ニーズ社のスタッフは「かつてこちらで式をあげてくれたお客様が、子供を連れて来てくれることもあるんです。“あの後この子が生まれて今じゃ小学生なんですよ”なんて。そういった時は本当に嬉しいです」と語る。

そんな感動もあるものの、こういったイベントも多忙なスタッフたちは他の業務の合間におこなっており、その労力はかなりのもの。それこそ、この取り組みをはじめたばかりでは気乗りしないスタッフも多かったというが、今では多くのスタッフや式場が積極的にイベントを開催しているという。トップダウンの命令ではなく自主性を持っているというのは、企業理念の浸透を表す証拠と言えるだろう。

テイクアンドギヴ・ニーズ社はこういったCSRだけではなく、女性の就業環境改善、外国人の積極採用、障がい者雇用、またLGBT研修なども積極的に行っている。同社のCSR活動やSDGsの取り組みは日本では世界水準だと評価を得ているのも、実際イベントに参加するとうなずける。

社会と企業を考えるうえで、また企業のCSRやSDGsのモデルケースとしても、今後ますます注目を集めそうだ。

編集部: