悪魔のおにぎり生みの親・ローソンストア100 同商品を超えるコロッケ×チョコ、激辛あんドーナツなど発売

「悪魔のおにぎり」といえば新元号「礼和」とならぶ2019年のホットワードで、今年の流行語対象入賞も囁かれている。そんな世間をザワつかせた同商品を生み出したのがローソンストア100。

「悪魔のおにぎり」ブレイク後も、『悪魔のおにぎりの悪魔ご飯』のリリースや、「追い悪魔」「悪魔増し」の食べ方を提案するなど、100円なのにここまで?と感じるような商品開発に力を入れている。ローソンストア100は中高年や、中高生のお客などが多く地域密着のほっこり系と思われることも多く、事実そうなのだが、開発姿勢においてはアグレッシヴなのである。

「ななめ上いくパン」シリーズが話題に

そんなローソンストア100がひっそりとリリースしたのだが、発売からわずか数日で大きな話題となっているのが、“ななめ上いく”パンシリーズ。その商品ラインナップ以下となっている。

チョコクリームとコロッケを合わせた「食事とデザートを一緒に済ませられるおせっかいな時短メニュー! “ななめ上いく”チョコチョコロッケバーガー」。


紅しょうがとマヨネーズたっぷりの「パンと紅しょうがの奇跡の出会い! 紅しょうがをこよなく愛する方に食べてもらいたいパン “ななめ上いく”紅しょうが好きのドーナツ」。


あんドーナツに激辛一味唐辛子をまぶした「甘いけど辛い! 甘さと辛さの絶妙バランスで脳が混乱!? “ななめ上いく”あんドーナツ(激辛仕立て)」。


たしかに耳目を引くであろう珍奇な組み合わせなのだが、それよりも、話題になっているのはこんな組み合わせながらも食べた人たちから“意外に美味しい!”“ハマりそう!”といった感想が次々にあがっているからだ。

穏やかながらも攻めを崩さぬ“ロー100”(ファンによるローソンストア100の愛称)の開発姿勢と、同商品の開発秘話に、メディア発表会で迫った。

今回のななめ上シリーズを開発したのは商品本部デイリー部・宮永理恵さん。コンセプト、キャッチコピーなどすべて彼女が考えたもの。パンの中身の具材には、ありとあらゆるものを組み合わせ、その中でもしっかり美味しいながら今回のコンセプトを維持するものを見つけ出すのに苦労したという。

この味の組み合わせは「偶然性によるものも多い」とのことだが、偶然というよりはむしろ「奇跡」であることは、ネットに散見されるこのパンを食べた人たちの声からもわかるところ。後述するが実際に美味しいのだ。

こういったともすればやり過ぎな商品は、逆にマーケティングのたまものといううがった見方をする人もいるだろうが、今回のパンは、開発者の思いの強さが、マーケティングよりも先にあることは強調しておきたい。

そもそもローソンストア100は、100円でいかにお腹いっぱいになってもらえるか、お買い得感があるか、そして美味しいか、そんなコンセプトでパンや惣菜をを開発している(注)。そんな思いのもと宮永さんも開発しているわけだが、今回彼女が成し遂げたのはそれらに「楽しい」というコンセプトを付け加えたということだろう。(お値ごろで満腹、そして美味しくって楽しいなんて最高じゃないですか!)。

宮永さんによれば、今回のななめ上いくパンでは「大人の事情すべてとっぱらって作った」とのこと。そんな姿勢や、無類のパン好きだという彼女だからこそ、このおもちゃ箱のようなパンを開発できたのは間違いないし、我々も屈託なく楽しむことができるのだろう。

ちなみにあまりの衝撃的な組み合わせに、パン工場のラインからは「この組み合わせで本当に合っているんですよね…?」という声があがったことはご愛嬌だ。

(注)ローソンストア100のパンといえば、タルタル、揚げ物、焼きそばおよびその組み合わせボリューム系惣菜パンの評価は高く、タルタルコロッケロールや焼きそばマヨネーズコッペ等には熱心なファンも多い。

開発者の思いもわかった、そして話題になっていることもわかった、だが味の方は信じられないという方も多いだろうが、3種類の中には絶対ハマる味があるはずだ。

「“ななめ上いく”チョコチョコロッケバーガー」

3種の中ではおそらくもっとも敬遠される組み合わせだが、スコットランドのフライドマーズバー(チョコ系スナックバーを揚げたもの)や、アメリカのフライドスニッカーズなどが根強い人気を誇るように、チョコと揚げ物の組み合わせは世界的には“有り”とされる組み合わせ。

むしろチョコチョコロッケバーはそれらよりも洗練されており、ほのかなチョコの風味を感じながらコロッケパンを味わえるという感覚だ。中でも秀逸なのが2種類のチョコレートが使われており、一つはクリーム系、一つはクリスピー系と分けており、コロッケを味わう時に後者が「ガリッ」と揚げたてのような食感を生み出す。

コロッケパンの水気のなさに、チョコクリームがつなぎとなり補うことで、まったりと食べやすくなっており、独特なハーモニーを生み出している。またコロッケ自体もチョコの風味と合うようにシンプルな味付けとなっている。

「“ななめ上いく”紅しょうが好きのドーナツ」


個人的にもっともプッシュしたいのが、たっぷりの紅しょうがとマヨネーズを揚げパンに押し込んだこの商品。油、小麦粉、マヨネーズ、紅しょうが、この組み合わせが日本人の国民食であるたこ焼きや、お好み焼きと共通していることだけを見ても、“間違いない”ことがわかるだろう。

まるでクリームチーズのようなマヨネーズと紅しょうがの濃厚な味わいを、揚げパンが受け止めて実にバランスのよい一品となっている。とそれらしくまとめてみたが、一言で言えばパンチがあって、ドカンと美味い! 能書きなしに美味しいのだ。

牛丼屋で丼を赤くするほど紅しょうがを入れる人がいる、という話が発端となって生み出された商品だというが、紅しょうがをこれほどまでに美味しく食べさせてくれる料理は、今までになかったのではないだろうか? 牛丼よりもたこ焼き・お好み焼きよりも合うと思う人もいるはずだ。

「“ななめ上いく”あんドーナツ(激辛仕立て)」


これも秀逸な一品だ。袋を開封するとともに唐辛子の香ばしい香りが漂い、一口かじれば上品なあんドーナツとして楽しめる。そしてそこからがこの商品ならでは、であるのだが、後味として強烈な辛さがやってくるのだ。口にはあんこの甘美な余韻がありながら、刺すような刺激がやってくるという新感覚。

激辛好きには当然勧めたくなるが、甘党にもおすすめしたい。辛さはあんドーナツの味わいに余計な味を加えるのではなく、シンプルに刺激だけを追加してくれる。だから本来の美味しさを損なうことがないのだ。

明治7年、西暦でいえば1874年に生まれたアンパンが、礼和時代に揚げスタイルで辛味をまとい、新しいスタンダードになる可能性も秘めている。

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今はななめ上かもしれないがネクストジェネレーションの“まっすぐ”となるかもしれない、このパンたちを見逃すべからず!

編集部: