災害時に本当に役立つ防災グッズ 宮城沖の巨大地震確率20%に上昇した今こそ備えたい

政府が30年以内の地震発生予測の見直しを行い、宮城県沖では震災以降ほぼ0%だった巨大地震の発生確率が、20%程度まで引き上げられた。今すぐのことではないかも知れないし、明日のこともかもしれないのが災害。それだけにあらためて防災意識の引き締めやその備えが重要だ。

2月25日に「一般社団法⼈日本防災教育訓練センター」代表理事をつとめるサニー・カミヤ氏を招いた特別防災講演がニチバン株式会社内で行われ、サニー氏が災害時に役⽴つ防災グッズのレクチャーなどを行った中で、読者の皆様に役立つ防災グッズ情報についてお伝えしたい。

専門家が厳選 災害時に役立つ防災グッズ

サニー カミヤ氏は、元福岡市消防局でレスキュー⼩隊⻑、国際緊急援助隊員、ニューヨーク州救急隊員として活躍。これまでの⼈命救助者数は1500名を超える、レスキュー業界では伝説の人物。そんな氏が災害現場で実際に役に⽴ったという防災グッズが以下の3点だ。

・スプレーノズル付きペットボトル、スプレーボトルなど

意外に思えるかもれしないのがこれ。災害現場にこれがあるだけで、傷の消毒、飲料水、冷却用、体の洗浄など様々な用途に利用できる。しかもスプレー式なので水の使用量の調整ができ、水が十分に手に入らない災害現場で重宝するという。スプレーノズル付きペットボトルだけではなく、それに準ずるものなら応用して使うことができる。

・切れにくい⼿袋(耐切創⼿袋)

防災用品のセットに必ず入っているのが布製の軍手。瓦礫の片付けや転倒時など様々なところで役に立つ、はずなのだが、サニー氏によればさらに強度と耐切創がある手袋が良いとのこと。瓦礫やガラスの破片が散乱する災害現場では、軍手の強度では十分ではないからだ。

・防水タイプの絆創膏

災害時は細かな切り傷や擦り傷もできるため、必需品となるのが絆創膏。夏の時期や雨の日、土砂のかき出し作業などの際は、感染症予防の面から、はがれにくい防水タイプが必須となる。

災害時必須の絆創膏は大きな進化を

サニー氏の話でも出た絆創膏だが、「ケアリーヴ」シリーズや「ケアリーヴ治す⼒」が話題になったように、現在大きな進化を遂げている。

たとえば同商品など、素肌に近い感触の「⾼密度ウレタン不織布」を使っているため、かつての絆創膏のように貼っているのが目立つことなく素肌に近い色味だったり、伸縮性に富んでいるため自然なつけ心地をキープ。

また傷の修復に対しても、「ケアリーヴ治す⼒」のモイストヒーリング(湿潤療法)などが知られている。絆創膏のテープ部分キズは、傷口から出る透明な滲出液(しんしゅつえき)によって治るのだが、同シリーズはハイドロコロイドという特殊素材を使ったモイストパッドで傷口を密閉。このパッドが体液を吸収、保持し、キズを治すのに適した潤った環境(①)をつくることで、キズを修復する因子が活発に働き、表皮が再生、キズが早く治るという(②)。

他にも役立つ防災グッズ一覧

サニー氏は他にも女性や子供のために備えたい防災グッズを発表。こちらも実に興味深い

■女性に役立つ防災グッズ一覧

  • ワセリン :避難所生活での肌の乾燥対策に、かかとのひび割れなど。
  • 生理用品 :圧迫止血などにも使える。
  • パンティライナー、サニタリーショーツ、尿取りパッド :下着&トイレ。
  • 手鏡 :消防防災ヘリコプターへのHELP要請や救援信号にも使える。
  • 除菌ウェットティッシュ
  • 眉墨・眉毛ライナー等基礎化粧品トラベルセット
  • ブラタンクトップ :洗濯干しでも人目気にならなず、ブラとインナーを兼用。
  • 水のいらないシャンプー :断水時の洗髪。
  • アロマシート :気分転換。
  • 歯みがきシートや口臭スプレー :断水時の口腔衛生。
  • 抗菌消臭スプレー :避難所トイレ使用時の除菌や感染予防。
  • 便秘薬 :避難所生活では便秘になる人が多い。
  • 携帯充電器 :充電式モバイルバッテリー、電池式充電器、充電コード。

■子供の避難用リュックの中に備えるべき防災グッズ

  • 子供は自分の非難グッズを用意し、可能な限り、自分で背負って避難する
  • 幼児が背負えない場合は避難用スーツケース等に付ける。
  • 母親はできるだけ荷物を背負わず、いつでもすぐに動ける様に体力を要温存。
  • 子供1人につき250〜300mlのペットボトル1本。出発前に必要本数準備。
  • 水のスプレーボトルを1本。アトマイザーにアルコールを1本。傷洗浄に使える。
  • 感染予防用手袋数セット、止血用ガーゼとバンテージ2セット。
  • 絆創膏、毛抜き、包帯、副子(骨折した部分を臨時的に固定する器具)、除菌ウェットティッシュ、ゴミ袋等。
  • 自宅から避難場所までの安全なルートや食料調達場所、トイレ等をチェック。
  • 落下物から頭を守るために避難時は帽子ではなくヘルメットをかぶらせる。
  • ヘルメットは自転車用か、クライミング用でも可。軽くて涼しいものを選ぶ。
  • あめ玉、チョコレート、おせんべいなど、長期保管も可能なお菓子類を選択。

今回の政府による地震発生予測が宮城県沖だったとはいえ、関西四国や北海道、九州などの方もぜひこれらのリストを参考にし、災害に備えることが肝心だろう。

編集部: