近年の激辛ブームに新たな世界を切り開いた花椒(ホアジャオ)。唐辛子のヒリヒリする辛さではなくビリビリと電撃のように痺れる辛さが特徴の香辛料だ。『ラ王 黒タンタン』はこの花椒をスープではなく麺に練り込んだ新スタイルのカップ麵。黒ラー油との組み合わせでスープも麺も辛くなったとすれば……挑戦するしかないだろう!
七味唐辛子以上のピリピリ感。激辛体勢のレベルアップをしたい人にちょうどいい
中国の四川省、河北省などを主産地とする花椒は麻婆豆腐などに良く使われている香辛料だ。日本を主産地とする山椒とは別物だが、同じミカン科サンショウ属に属している。
この花椒をスープではなくあろうことか麺に直接練り込んだのが株式会社日清食品(大阪市淀川区)が発売する『ラ王 黒タンタン』(117gうち麺75g・希望小売価格 税抜200円・2018年11月13日発売・ファミリーマート限定・数量限定)だ。
実は9月に同社で発売した「日清ラ王 焦がし醤油」には山椒を練り込んだ麺を使用しており練り込み麺は開発済み。辛さを狙った商品ではなかったが、山椒の風味が利いているとネット上では評判だったようだ。
また、練り込み麺ではないが花椒を使った「日清ラ王 ビリビリ辛うま 汁なし担々麺」は既に発売されており、こちらはかなりのシビれがあったようだ。
一方スープはどうかというと、坦々麺らしいゴマや赤唐辛子を使ったスタンダードなもので特段辛みを増す素材は入っていない。その代わりに使われているのが黒ラー油だ。
坦々麺にはマー油が使われることが多いが、辛さを求めるときにはラー油が使われる。なお、ラー油とマー油は似た語呂だが全く違うもの。ざっくりいうとラー油は油に唐辛子を加えたもので辛さが特徴の調味料。一方日本発祥のマー油はにんにくをごま油で炒めたもので香りが特徴だ。
麺は「ラ王」お馴染みの3層ストレートノンフライ麺に花椒を練り込んだもの。
縦型容器のカップ麵=待機時間3分というイメージだが、440mlの熱湯を注いだ後の待機時間は5分。
蓋の上に付属している「黒ラー油」をよくもみほぐした後、かければ完成だ。
しっかり混ぜても黒ラー油が分離してしまう。湯気でむせるような刺激はなく、ごまの香ばしい匂いと花椒の香りが混在。それではいただきます。
ズルズルッと啜るとごまの風味がしっかりしており口中に広がりながら鼻へと抜けていく。濃すぎず薄すぎずちょうどいい。
花椒はというと激辛通には正直物足りない。そもそも辛さをウリにしているわけではないが、期待して食べると少々がっかりするので承知の上で食べよう。ガツンと辛いわけではなく、スープに含まれた赤唐辛子によって少しずつピリピリとした辛さがにじみ出てくる味わいだ。
初心者向けではあるが、そこそこ辛いのでご注意。
メインとなる麺からは花椒の風味を感じるので、ガッツリとした味や風味を最初から最後まで味わえるのが嬉しい。ただし花椒の辛みがあるかと言われるとちょっと疑問。どちらかと言えばスープに含まれている赤唐辛子の方が強いし花椒要素は風味だけのようだ。
チンゲン菜が大きいので食感もしっかりしている。
カロリーは495kcal、糖質は約72gとかなり高め。
全国のファミリーマート限定で数量限定発売中。