サントリーから『ザ・モルツ サマードラフト』がコンビニ限定で発売された。「サマードラフト」といえば2014年に期間限定で販売され、原料であるシトラホップが珍しかったという時代もあり、なかなか好評だったビール。繊細な味わいが得意なサントリーが手掛ける今年の夏ビールは、はたしてどんな「涼」を届けてくれるのか非常に楽しみ。
2015年9月、「モルツ」から、「ザ・モルツ」としてリニューアルしたサントリー。
苦み、コク、甘味の複層的な味わいが特徴だ。コーンやスターチといった副原料を使用しないザ・モルツは、何といっても商品名でもあるモルツ、つまり「麦芽」へのこだわりが特徴。サマードラフトでは高温高圧蒸気(HHS)製法で加工した麦芽を一部使用し、爽快な後味を作っている。
今回サントリービールから発売された『ザ・モルツ サマードラフト』(350ml/500ml・実勢価格税込223円・2017年6月27日発売)で注目するべきは、「シトラホップ」。ホップといえばビールの苦みと爽快な香り、また泡立ちをよくする原料だが、シトラホップはその名の通り柑橘系の風味が特徴だ。2014年に「モルツ サマードラフト」として登場した際もシトラホップを使用していたが、近年では爽やかな香りを出したいときにビール製造業各社、使用されている原料。ちなみにサントリーではビール好きが毎年発売を楽しみにしている「サントリー クラフトセレクト」シリーズの、2016年発売「サントリークラフトセレクト ビターエール」にも使用されていた。
夏らしい柑橘系の香りと苦みのバランスが絶妙。どんな料理にも合うビール
グラスに注いでみるときめ細かい泡が立ち上がり、ホップの香りが広がってくる。が、香りだけでシトラホップ独自の柑橘風味を認識するのは難しく、「いわれてみれば柑橘系…か?」といった程度。見た目には「ザ・モルツ」と変わらない印象の、ややイエローがかった黄金色。
飲んでみると、シトラホップの爽やかな風味がよく出ている。サマードラフトは「ザ・モルツ」の夏限定ビールだが、どちらかというと華やかな香りが特徴のエールビールや「クラフトセレクト」の方がやや近い印象。エールビールほどの華やかさはない分、苦みがじんわりと後から効いてくるので飲みごたえが感じられる。爽やかな柑橘系の風味と、苦みとのバランスが丁度よく、さすがサントリーといったところ。
とにかく飲みやすい。柑橘系の風味でさっぱりとしているので、和食や洋食、アジア料理など、幅広い料理に合うビールといえる。
ご当地ビールやクラフトビール好き、ビールが苦手な人にもおすすめ!
近年クラフトビールやご当地ビールが流行し、コーヒーやワインと同じく様々なビールの「個性的な味わい」を楽しむ人が増えているが、サマードラフトもその路線上にあるといえる。普段ビールが苦手な人も、サマードラフトなら爽やかな香りが口いっぱいに広がりビールにしては飲みやすいので、オススメだ。期間限定で順次販売終了とのことなので、見かけたら一度手に取ってみてはいかがだろうか。