Googleが血液中の癌細胞を破壊できるリストバンド型のウェアラブルデバイスを開発、世界知的所有権機関(WIPO)に特許出願を行った。ガンを治療する画期的なデバイスだとして、海外メディアが複数報じている。
■ガン細胞を磁力で集める
理屈はシンプル。まずは患者の体内に、経口または注射によって酸化鉄ナノ粒子を入れる。粒子は血液に入って全身をめぐりながら、ガンや特定の病気にかかった細胞をはさみこむ。そしてデバイスが磁気を発生させることにより、酸化鉄ナノ粒子付着させたそれら細胞をデバイス付近へと集めることが可能となる。
さらにデバイスは集まった病気の細胞を、高周波を使って振動や熱を起こさせ、変質もしくは破壊するというもの。これでガンの治療や転移を防ぐといった効果や、パーキンソン病などへの治療にも使えるという。
■実用化は5年後以降か
だが、実際に使用できるのはまだしばらく先のことになりそうだ。Googleは患者の体内にナノ粒子を入れるための錠剤が医療用に承認を受けるために、少なくとも5年かかると予想しているからだ。
googleはこれまでにもガン治療への動きを見せており、今回の特許に対しても海外メディアへ「シリコンバレーには億万長者が多くいるが、我々だれしも死へと向かう」と語っている。IT界の巨大帝国は、不老不死とはいわないまでも、長生への研究に乗り出している。
文/原田大