2013年4月に放映されたテレビ東京系番組「完成!ドリームハウス』、そのなかで建設された通称「丸見えハウス」が空き家になっているのではないかと、ネット上で憶測をよんでいる。
一般人の住宅建設を追ったドキュメンタリーだが、どれもブッとんだものばかり。この住宅は埼玉県桶川市の約150坪の敷地に、前面ガラス張りという前衛的なデザインで建てられたもの。住人の「お互いの気配が感じられ、開放感のあるおしゃれな平屋」という希望に沿ったものだ。
■丸見えハウスが空き家になった噂がながれた
だが、ネット上ではそのスケスケぶりに、プライバシーが守れないのではないかといった、酷評が連発。そんな“結果”として空き家になってしまったのではないかと、SNSで噂が流れ、一部ネットニュースに報じられることになった。
はたして、本当に空き家になっているのか、現地を訪ねた。
■丸見えハウスに人は住んでいた、地元では憧れの家?
話題の「丸見えハウス」に着いてみると、人気はないものの、屋内には子供用の自転車などが置いてあるし、クリスマス用のオーナメントが飾ってあるなど、人が暮らしている様子がある。声をかけてみたが、“不在”のようだった。通りすがりの人に聞いてみると
「まだ住んでらっしゃいますよ。地元には珍しい外車が停まっているのをよく見ます。地元では名士の縁者が暮らしていらっしゃいますから、うちの孫娘なんかは『桶川ヒルズ』なんて呼んでますね」(地元住人)
道路沿いにはすだれを設置、屋内にはしっかりとカーテンを引いているので、言われているよりもずっと、プライバシーも守られている様子だ。
ネット上の雑音から離れて見てみれば、たしかに「ヒルズ」感にあふれている。遠くからみればGoogleのラボのように見えないこともない。
■マナーの悪い観光客がおしよせていた
「今年の夏は大熱波が来ましたからね、すだれでゴーヤを育てるなどして、涼し気な様子ですてきでしたよ。え、ネットではそんな言われ方をしてるんですか? 私ならちょっと暮らしてみたいですけどねえ」(近所の主婦)
など、近所の住人の声は肯定的なものが目立った。時たま自動車を停めてスマートフォンなどで、無遠慮に撮影していく人も多いという。「有名だからとはいえつらいかも」「空き家とかデマを流されてかわいそう」「だから不在が多いのでは」という声も。
また同様の被害は他の“ドリームハウス物件”でも起きているという。
「丸見えハウス」あらため「桶川ヒルズ」は建設費2900万円。また同番組の他の物件もどれもかなりの額がかかっている。安くはない買い物だったうえに、デマが流れたりとよくも悪くも注目を集めており、とんだ有名税までついてきたものだ。
文/鷹村優