人工幽霊の発生に成功、大学研究チーム 被験者のうち2名は絶叫、実験中止を要請

こわいよね、おばけ。

幽霊はいる/いないという論争に、たしかな終止符がうつときが来たのかもしれない。スイスのローザンヌ工科大学の研究チームが、「人工幽霊」を作り出すことに成功したのだ。

■幽霊は脳の錯覚

医学専門誌「メディアメディカル・エキスプレス」が発表したところによれば、同研究者らは、人間の脳のシグナルを操作することで、幽霊を見せることに成功したという。つまり、幽霊は脳を“錯覚”させることで発生させることができるのだ。

■霊感のある人にヒント

この実験のヒントになったのは、いわゆる霊感がある人。幽霊をよく見るという人々を、MRIで分析すると大脳皮質の一部、島皮質、前頭皮質、および側頭頭頂皮質が関係していることがわかった。これらは空間や体感認識に関係する部分。

被験者の指先の動きを、背中側の機械が再現するのが「幽霊発生装置」。被験者はうしろに「なにか」を感じることになる。

■幽霊発生装置

実験ではこれらの部分に「不協和」を与えた。被験者の指先の動きをモニターする装置をつけ、それを通じて、その指と同じ動きで被験者の背中をタッチする装置を使用した。そして、この背中側へのタッチを、指先の動きよりも遅れるようにした。

これにより、被験者らに時間、空間認知の歪みが与えられることになる。

■被験者全員が幽霊を見た

彼らに指を動かしてもらっているうちに、12人の被験者全員が「幽霊を感じた」のである。うち2人は恐怖に震え、実験中止を叫んだという。

■統合失調症研究に成果

この実験はけっして幽霊の存在についてうんぬんするものではなく、幽霊やエイリアンに攻撃されていると訴えるような、統合失調症についての研究を深めるという。

おばけなんてないさ〜、おばけなんてウソさ〜と思いた時には、この実験を思い出すといいのかも。

文/原田大

編集部: