■一部マニアの間の最新トレンドは「あっさり」
「こってり」と呼ばれる超粘度スープのラーメンを武器に、全国に231店舗を展開する天下一品。「あっさり」味も存在しているのだが、ほとんどの人が“なんとなくお得だから”という理由で、「こってり」を食べている。だが、ちょっと待て、もうすでに一部の天一マニアの間ではあっさりが美味しいとして、最新のトレンドとなっている。
「天一で食べる意味がないと言う人もいますが、そんなことはありません。あっさりは一見淡麗な味わいなのですが、よくよく味わうと、実にとがった味わいがあるんです。チェッカーズの名曲『ギザギザハートの子守唄』を口ずさみたくなるような…」(年間50食天一を食べるというマニア氏)
■あっさりはカロリーも超少ない
ちなみに1年前まで身長165センチにかかわらず、体重が85キロあったというこのマニア氏は、完全な「あっさり」派に転向してから体重が67キロまで落ちている。
「最近ネットでも話題になっていましたが、こってりは949kcal、あっさりは380kcalとカロリーが3倍近くも違うんですよ。あっさりを食べてからずいぶん健康になりましたね!」(同前)
■一口目は「?」だが二口目には「…!」
そんな話を前置きに、筆者も実際にあっさりを食べてみた。一口目は、なんてつまらない普通の味、というところ(ごめんなさい)。だが二口目、三口目になるにつれ、「あっさり」としてスープに奥になんともいえないジャンクさがあるのだ。誤解しないでいただきたいのだが、まるで高級なカップラーメンとでも言いたくなる、プラスチック的であり摩訶不思議な味がする。
■辛子ニンニクをぶち込むと最強の味に
マニア氏に「天一のオリジナル調味料、辛子ニンニクとニンニクみそをたっぷり入れてください、…こってりには及びもつかない、キレッキレの味になりますから」と言われていたので、そのとおりに。
いや、これは凄い。もともと塩気や調味料でエッジな味が、ニンニクと唐辛子が追加されることにより、さらに強い力を持つのだ。
ラーメン屋で辻斬にでもあったような、口を日本刀でばっさりといかれたような、そんな鋭い味がするのだ。いままで筆者も1000杯以上のラーメンを食べてきたが、こんな味はどこにもなかった。こってりが妖怪ぬりかべなら、調味料を入れたあっさりは、まるでカマイタチのよう。
これは確かにクセになるかも知れない危険な味! おまけに痩せられるっていうならなおさら素敵! いや、それにしても凄い味でした。
文/原田大