「ラーメン二郎にも天下一品にもいきましたー。でも一番クールジャパン、というか日本はクレージーと思ったのは…」(アメリカ人観光客)
アメリカやヨーロッパをはじめ海外で完全ブレイクしている日本式ラーメン。海外からラーメン観光にくる外国人も増えており、本場の味に舌鼓をうっている。知人のアメリカ人、トム・ワトソンくん(31)が友人ら3人と来日、その際にいくつかの店を教えておいたのだが、彼が完全にノックアウトされた店がある。
■伝説の土佐っ子のDNAをひく店
筆者としてはラーメン二郎(彼らが行ったのは目黒店)、天下一品のこってりなど、日本でもカルテックな人気がある店を教えておいたのだが、それらを凌駕したのは…池袋にある一秀というお店。
この店は1980年代に東京環七にあった伝説の店、土佐っ子のDNAをひいている。土佐っ子はいわゆる背脂ちゃっちゃ系といわれる店。ここはさらにそれを進化させている。
まずは二郎や天一の感想は「二郎はわれわれアメリカ人からすれば、これぐらいラクショーの量。ただ、僕らは猫舌なので、ジロリアンの方々のようなスピーディーには食べられません。当然美味しかったよ」「天下一品はママのシチューを思い出させる、ノスタルジーのある味わいだね」というところ。
■日本の自然をおもわせる美しいビジュアル
そして一秀はといえば、
「まるでマウント富士のすそのに積もる雪のようなラーメンでびっくりしたよ、しかもそれが豚の脂だなんて! でもそんなにオイリーじゃないのが不思議でしたよ〜。おまけに下からは真っ黒な麺とスープが出てきて、日本のダイナミックな自然っぽい」(トム)
ということなのだ。たしかに表面が真っ白なビジュアルは、雪景色っぽい…。そして麺をまさぐると一気に黒く変貌するところも、日本人から見ても凄いのだから。彼の友人らも「イッシュー(一秀)クール!」「クレイジー(笑)」と絶賛していた。
■背脂たっぷりでも健康にバツグン!
おまけに彼らを感動させたのは、このラーメンのただし書きだ。彼らは字が読めなかったので、筆者があとで教えたのだが、ここの看板には、あの背脂の量にもかかわらず「血液サラサラ」「健康促進」と書いてある。
同店の麺は韃靼そばを使用しており、それが血液を浄化し、動脈硬化などにも効果抜群だというのだ。「地元にあったら、毎日食べたいよ」といってトムらは帰っていった次第。いや、地元になくてよかったと思うのだが、毎日食べるのはちょっと…。
クールジャパンすぎるここのラーメン、日本でも意外に知られていないので、みなさんもぜひ!
一秀/東京都豊島区池袋本町2-1-1
文/原田大