蒙古タンメン中本ファンですら悲鳴あげる激辛ラーメン店 中本がケンシロウならこの店はジャギ…!!!

※ぶっかけ辛子みそ(680円)。「辛〜めん」というのがあるのですが、これはラーメン兇器です…。

蒙古タンメン中本ファンの間で、その名前を出すと妙な空気が流れる、激辛ラーメンの店がある。ここは、蒙古タンメン中本の先代が経営していた「中華料理中本」を目指した店であるから、遠いながらも同門と言えなくもなくもない(それぐらい遠い)。

「北斗の拳」にたとえるなら、元祖中本がリュウケン、現在の蒙古タンメン中本がケンシロウ、この店はジャギにあたるのだ! 

ジャギといえばケンシロウの義兄である人気キャラ。この店はけっしてジャギのような感じとかそういうことではなく、それぐらいマニアックで一部から熱狂的なファンがいる店なのだ。

それは東京の早稲田と高田馬場に2店舗を展開するラーメン店「高木や」。ムンクの「叫び」調の絵が「ヒ〜からい」と言っているのがトレードマーク。ここの店主は元々ドリフターズの高木ブーさんの付き人で、本人も芸人だったという。一時は売れていたというが、移り変わりの激しい業界だけに、いち早く副業として開業したのがこの店だった。

※高木や高田馬場店は東京都豊島区高田3-10-11 草原ビル2F階。広告記事じゃないですよー。

独自の激辛ラーメンを出し、全国の激辛ファンから熱狂的な人気を誇っていたのが、板橋にあった中華料理中本だった。だが店主が体力の限界をさとり98年12月に閉店した後、店主のもとに日参し、00年正式にその味をひきつぎ進化させたのが現・蒙古タンメン中本総店主の白根誠氏。

一方で、中華料理中本がなくなり、もともと週四回ほど通っていたという高木やの店主も、それなら自分があの味をと、99年に創業したのが高木やだったのだ。なので同じ頂きを目指したわけであるが、血縁で言うとちょっと遠いのだ。しかし、辛旨いを目指した志は一緒。

しかし、高木やは独自な味を作り出しているために、オールド中本ファンからはまゆを潜められることもあり、まるで銃を使用してケンシロウを仕留めようとしたジャギ感があるわけだが、その独自な美味さはまさに散弾銃なみの威力。

特におすすめなのが、「ぶっかけ辛子みそ」(680円)。ネギと豚バラたっぷりの麻婆豆腐状の餡を太麺にかけたメニューなのだが、これが辛い。蒙古タンメン中本の「辛旨さ」にはケンシロウやトキのような情けや哀しみを感じてしまう。だが、高木やのこれはまさにジャギ! 20XX年を思わせる弱肉強食感のある無慈悲な辛味なのだ。だが、それがいい! …と教えてくれたのはハードな中本ファンの知人だ。

「中本ファンの友人には黙ってるんですが、僕はかなりの隠れ高木やファン。あの“悪”としか言えないような辛味はたまらない。僕ら本当の激辛ファンには、やさしい美味さとか必要ない。ジャギやサウザーのような無慈悲な辛さがほしいんです。ちなみにまだ優しさのあるサウザーが“ぶっかけ”、邪悪なほどに辛いのが辛〜めんというメニューがジャギですね」(20年来の中本ファン)

実際、この高木やの漫画棚には「北斗の拳」、さいとうたかを「サバイバル」、「カイジ」などどんだけスリルジャンキーなのかとしか言いようがないラインナップが揃っている。独自の辛さを追求しているのも「あえて」な感じがするのだ。

激辛ファンのみなさんにもぜひとも中本とくらべて欲しい、と思う。だが、「おい おまえ 俺の名前を言ってみろ!!」と言いたいぐらい凶悪など美味しい味なのでご注意を(ほめてます!)。

文/高野景子

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