筆者がまだ出版社勤務だったころ、「性獣」と呼ばれた上司が浜松土産に「うなぎパイ」を買ってきた。山田まりや似の派遣社員の女子に「◯◯ちゃ〜ん、これで今晩はハッスルハッスルだね〜」とその上司が言ったことで、会社をあげてのセクハラ問題に発展、上司は減給処分となった。
「夜のお菓子」というキャッチフレーズから、別名セクハラスイーツとも言われるうなぎパイだが、ほとんどの人はその意味を勘違いしているのだ。アンケートによれば約90%以上が、このお菓子のことを精力増強のための菓子ととらえているとか。
1961年(昭和36年)に有限会社春華堂によって開発されたうなぎパイ。「夜の〜」という真の意味は、浜松帰りにこれを買った人がその夜に家族と食べて欲しい、そんな「夜の家族団欒にどうぞ」というものなのだ。
なのでうなぎパイを会社に土産に持ってきてもセクハラではないのだ! まあ筆者の元上司のようなことをすればセクハラだが…。
とはいえうなぎパイ自体も、そういう精力増強のセクハラスイーツとして言われるようになり、パッケージデザインもそちらに舵を切っている。精力増強のマムシドリンクと同じ、赤と黒と黄色の仕様に変更したのだ。
なのでセクハラスイーツとしてはグレーゾーン。ただもし会社に土産としてもっていき女子陣から「セクハラだ!」と言われたら「家族団らんのための〜」と言えばいい。カブがあがって本当にセクハラさせてくれちゃったりして?
文/田中結子