最近ではすっかり定着した、汁なしラーメンとも言える食べ物「油そば」。専門店を見かける機会も増えたし、メニューに加える店も増えた。筆者も好きでちょくちょく食べている。しかし、あるラーメン屋の店主は、あんなもの食べるやつはバカだと指摘する。
「油そばは600円程度で出している店が多い。同じ値段で普通もりと大盛りを選べ、一見お得に見えるんですが、そんなことはないですよ。だってラーメンはスープに原価がかかるんですから、スープをなくしてその値段は、ちょっと高い」(ラーメン屋店主)
この店主の推察によれば、油そばの原価は100円程度。麺が50円程度、ネギ、チャーシュー、ナルトなど合わせて40円、タレで10円程度という内訳だ。普通盛りで頼めば、原価は16.7%という数字になる。外食産業においては30〜35%の原価が目安と言われているから、店にとっては“美味しい料理”だ。
「うちのラーメンなんかはスープに100円程度原価がかかってしまうからねえ。うちでも油そばを出そうとは思っています(苦笑)。大体油そばなんていうのは、そこにアホみたいに調味料をぶっかけて食う。いかにも味オンチの客が食べるメニュー。店が儲けるために作って、バカが食べるという、救いがない料理なんですよね」(同前)
またバイトでも簡単に作れるという意味で、店にとってのメリットはとにかく多いという。
それにしても…く、くやしい〜。別に料理を食べる時に、原価とか気にしてないし! 食べたいものを食べて何が悪いんですか! それにしてもそんなにお客にとっては“美味しくない”料理だったとは…ちょっとショックかも。
※ちなみに「ちゃんと油そばに原価をかけている良心的な店もある」とのことです。原価をかけるのがいいことかもわからないですけどね。
文/五橋太郎