先日取材した谷中の駄菓子問屋の主人Kさんは、奥さんを10年前に亡くしてからというもの自分で料理を作るようになったという。だが聞いてみると、その料理のレパートリーはほぼ一種類。スーパーの冷凍うどんしか作れないのだ(朝夕は買ってきて食べているとか)。
ちなみにこのKさん、賞味期限の過ぎてしまった駄菓子をいつもそのうどんに入れて食べているという変わり者だ。以前筆者もKさんが作ってくれた、ゆでたうどん玉にうまい棒なっとう味を潰してふりかけ、薬味にネギを載せてめんつゆを掛けたものを食べさせてもらったのだが、これが意外に美味いかった。
Kさんオススメの1位は、というかこれが至高だそうでいつも食べているのが「うまい棒うどん」だという。さきほどのようなぶっかけスタイルには、なっとう味か明太子味がおすすめとのこと。またかけうどんに乗せる場合はコーンポタージュ味や、サラミ味、とんかつソース味がオススメとのこと。いずれもうまい棒が天カスの代わりをして、うどんにこっくりとした味わいと、各種味付けをしてくれるのだそうだ。ちなみに肉などの具は一切入れてはいけないそうで、そうすると「味が濁る」のだそうだ。うどんに入れた時にはじめて、「うまい棒の本当の美味さがわかる」と冗談めかして言っていた。
ちなみにこの食べ方は、駄菓子屋仲間から教わったそうで、他にもまだまだあるという。今回をイントロということで、今後駄菓子を作ったレシピを紹介していくのでよろしくお願い致します!
(文/三太郎)