「すっかり売れなくなって困ってますよ。子供さんが寄ろうとすると、『危ないからダメ』っていう親御さんもいます」
そう語るのは、あるテキ屋の主だ。京都福知山市の屋台爆発事故の影響で、すでに縁日の屋台の客足が鈍っているという。
京都府福知山市の花火大会会場で8月15日夜に起きた、ベビーカステラ屋台の爆発事故。複数人が重軽傷を負ったこの事故で、あらためて祭りの“テキ屋”についてフォーカスされることになり、物議を呼んでいる。テキ屋組織と暴力団とのつながり、また行政との暗黙のルールなど、最近は取り上げられなくなった問題が、ふたたび蒸し返された形だ。
今後あらためて縁日の屋台運営について争議を呼びそうだが、先のテキ屋の主が言うように、すでに客足が減っているという話もある。今回事件を起こした屋台がベビーカステラだったため、同じ商品を扱う他の屋台の影響も大きいそうだ。
「夏なんでベビーカステラが売れづらいっていうのもあるから、一概には事故の影響だとは言えませんがね。それでもやっぱり客足は落ちていると思います。まあそれよりも怖いのは、いろいろ言われているような問題で、今後私たちが排除されてしまうかも知れないってことですかね」(前出・店主)
今後、行政側がどう動くかによっては、多様な屋台が消える可能性もある。縁日の光景が変わってしまう日が来るのだろうか。
文/土佐源一