さらばハッピーセット!? 米ジャンク業界にピザっ子撲滅の動き

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マック
”M”は子どもが最初に覚えるアルファベットという噂
ジャンクの本場に激震

今月22日、メキシコ料理のタコスを扱うアメリカのファーストフードチェーン「タコベル」が、おもちゃのオマケのついた子供向けセットの提供を打ち切る方針を明らかにしたと、CNNが報じている。早い店舗では今月中に、遅くとも来年までには全ての店舗での提供を取りやめるのだという。

同社CEOのグレッグ・クリード氏は、おもちゃセットに注力する意味は無くなったとコメント。売上にもほとんど影響を及ぼさないとみているようだ。

肥満児増加の原因との批判

タコベルのようなファストフード店がおもちゃのおまけで子どもを誘う商法は、子どもや若者の肥満に繋がるとして市民団体の批判の的になっている。アメリカをよく知るジャーナリストは次のように語る。

「アメリカでは肥満の原因はファーストフードチェーンにある、と市民が裁判所に訴えるケースすらある。今回の打ち切りは、そうした意識の高まりが背景にあるとみていいでしょう」

ファストフード店と肥満の問題に取り組む消費者団体CSPIは、このタコベルの方針を、「建設的な一歩」と評価し、その他のファストフードチェーンも同じ対応をとるように求めているのだという。

日本に波及する可能性も

日本でファストフード店のおまけと言えば、なんといってもマクドナルドのハッピーセットだろう。マクドナルドは世界でハッピーセットを展開している。先述の消費者団体は、マクドナルドにも同様の対応を求めている。

「本家アメリカでハッピーセットが廃止になったら、日本にも波及する可能性は充分にあるでしょうね。日本マクドナルドの創業者である藤田田さんは『人間は子どもの頃に食べたものを一生食べる』というのが持論でした。ハッピーセットは、子どもにマックの味を覚えさせるために、そしてその子がマックを一生利用し続けるように、単体では赤字でも続けているんだとも言っていました。タコベルのCEOは売上に影響はないと思っているみたいですが、おもちゃ付きセットの廃止は、ボディブローのようにじわじわと効いてくるんじゃないでしょうか」(前出のジャーナリスト)

若年層の肥満ももちろん大きな問題なのだが……おもちゃ付きセットの廃止は、ファストフード業界に大打撃を与える蟻の一穴となるかもしれない。

(文/林田卓夫)