禁断の果実はリンゴじゃなかった?
旧約聖書の『創世記』(2章9節以降)によれば、人類始祖であるアダムとイブは「善悪の知識の木」になっていたリンゴをもいで食べたために、楽園を追放されることになっている。だが禁断の実=リンゴ説はくつがえす説がいくつもあるというのだ。
リンゴは誤訳だったという説も
ジョン・ミルトンの「失楽園」(1667年)ではリンゴとされ、この説が世界に広まったとされる。しかし創世記の原典におけるリンゴは誤訳であるとされており、実際にはラテン語で「善悪の知識の木」の「悪の」の部分にあたる「malus」を、同じつづりの「リンゴ」の意味と取り違えてしまったと言われているのだ。
ナニっぽいのが禁断の果実
少なくとも、リンゴは寒冷な中央アジア原産とされ、エデンの園があったとされるペルシャ湾岸では育たないのである。
ダン・コッペル著『バナナの世界史』によれば、創世記に出てくる知恵の樹の実は、通説のイチジクではなくバナナであったとする仮説があるのだ。またイチジク、ザクロ、ダチュラ、ブドウなどの説もあるというのだが、それにしても説があがっている果物が、どれもちょっとセクシーな形状をしているのが気になるところ…。
実際はイチジクはヨーロッパでは女性のあれのシンボルなんだとか、バナナもそうだよねえ。
文/ケーシージョン坂本