ふるさとチョイスが自然災害被害の生産者を救う取り組み 市場流通からはずれた「物語」のある産品を返礼品に


ふるさと納税総合サイト・ふるさとチョイスの運営で知られる株式会社トラストバンク、同社の自然災害に遭った生産者を応援する取り組みがいま注目を集めている。

洪水・台風・地震など益々増えているようにも思える自然災害、その被害をダイレクトに受けやすいのが農業や水産業などの第一次産業だ。台風や水害は、農家なら作物等を一晩のうちに売り物にならないものにしてしまい、大きな経済的被害を与える。

今回の取り組みはそんな生産者たちを“救おう”というもの。市場流通させられなくなった商品を農作物を対象に『地域の生産者応援の品』として、ふるさとチョイスに返礼品として登録できるというサービスを開始した。

台風で梨8000個が落下した農家を支援

ふるさとチョイス自体が、ふるさと納税によって地場産業の発展を支援するという理念に基づいて発足しており、現在の契約自治体は約1500、お礼の品掲載数も20万を超えている。

また、ふるさと納税で地域課題解決を図る『ガバメントクラウドファンディング(GCF)』や、災害時にふるさと納税を通じて資金を調達し、被災地に寄付金を届ける『ふるさとチョイス災害支援』などで、これまでにも地域課題や災害支援にも積極的に取り組んできた。

8月26日に行われたメディア発表会では「地域の生産者応援の品」として福井県坂井市の梨農園「近ちゃんふぁ~む」の事例を紹介。同農園は台風被害を受けて、梨を市場流通させられなくなり、これを返礼品としたところ大きな反響を呼んだという。

登壇した「近ちゃんふぁ~む」の近藤美香氏によれば、昨年8月23日に福井県を直撃した台風で収穫前の約2000個の梨が落下。次いで9月4日に再びの台風で約6000個落下したことにより、約80万円の経済的被害を被った。

2回目で落ちた梨はすでに実も熟しており、「美味しい梨をこのまま廃棄するにはしのびない」と福井県坂井市 総合政策部企画情報課に相談。さらにトラストバンクの協力もあおいで『ふるさとチョイス』の『地域の生産者応援の品』として限定80セットを掲載。するとわずか数時間で完売した。

申込みの際には「頑張ってください」「台風に負けないで」といった応援のコメントも殺到、近藤氏たちを勇気づけてくれたという。

食品ロス削減にもつながるワケあり品再利用

一方、返礼品としても使えなかった傷物や未成熟の梨は、同市内のパティスリー「Sourire」がピューレに加工。この梨ピューレと若狭牛のミンチを贅沢に活用した「美梨カレー」の開発を行った。そしてやはり同市内の米農家『さんさん池見』のコシヒカリも合流、返礼品「美梨カレーと三国町産コシヒカリセット」が誕生することになったという。

本来だったら廃棄処分と経済的な被害だけで終わってしまう被災した農産物が、地域の事業者による協力体制と、ふるさと納税とふるさとチョイスという受け皿により、新しい商品に生まれ変わり、地域経済の活性化へとつながったのだ。

ふるさとチョイスは、これまでにも傷物や形がいびつなど規格外の「ワケあり品」を返礼品で掲載している。しかし自然災害による被害を受けた農作物にフォーカスし、『地域の生産者応援の品』として登録できるようにした、その意義は大きい。農家の救済や、地域の活性化や新たな地方産品の開発にもつながるし、食品ロスの削減にもなるわけだ。今後こういった事例はますます増えるだろうし、地域活性化により良い影響を与えるだろう。

ちなみに東京有楽町にある「ふるさとチョイスCafe」では、期間限定でこの「美梨カレーと三国町産コシヒカリセット」を限定10食特別メニューとして提供。する。また同様に三重県多気町の高校生が「キズ柿」を使って開発した「相可高生がクリスマス前にお届けする、キズ柿を贅沢に使用したシュトーレン」も限定でプレゼントする。