ネットで感動と話題を呼ぶ真木蔵人「チューチュージュース」コラム、本気で泣けた! 休日に読みたいレジェンド俳優の名言

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真木蔵人『BLACK BOOK 蔵人独白』(コアマガジン)
真木蔵人『BLACK BOOK 蔵人独白』(コアマガジン)
北野武監督の3作目となる映画「あの夏、いちばん静かな海。」を主演、その後「BROTHER」でも好演した俳優の真木蔵人(42歳)。かつてはお騒がせイメージの強かった真木だが、その独自すぎる言葉には、小説家の高橋源一郎が注目するなどコラムニストとしても活躍。

■セレブ批判の文章が、大きな感動を呼ぶ

2006年ごろ、六本木ヒルズ、セレブ、そしてリッチなパーティー、そんなイメージに多くの人が憧れていた時代に、そんなカルチャーへの批判として書かれ、インターネット上で話題になったものが以下。

「東京では、大人たちは夜の飲み会だ、合コンだ、パーティだしかやってない。男はツンツンヘアで、女はへべれけに酔っ払って、『イッキ!イッキ!』でしょ。子供はそこに行っても、フリーフードも食えないし、キッズ向けの映画も無い。『ライブドアが開催!!キッズ全員タダだぜパーティ』とかないのか。やれよ!!なんでやんねえんだ、ヒルズにお住まいの皆さんよ。なんで赤ジュウタン敷いて、リムジンで乗りつけた芸能人が偉そうに歩いてるんだ。ふざけんな。そいつらよりキッズの方が大事だぜ。次の日本だぜ。ヒルズじゃあ、アホみてえな芸能人を送り迎えして、『パチパチパチ、うわぁーキレイですねー。ルッキングーッド!!どうぞキャビアありますよ、シャンパンですよ』だ。

 そのシャンパン一本で、子供達にチューチュージュースを二百本ぐらい買ってやれ。ヒルズの連中はシャンパン全部一人で飲み干して、キャビアは一人で食っちまう。でも子供達はチューチューの半分を友達にあげんだよ。そんで「うわぁー!」ってみんな遊び始めんのさ。それがホントなんだ。それがホントのセレブっていうんだよ。持ってない奴が隣にいたら可哀想だし、一緒に分かち合いたいし。
 だからフィリックスのガムも、パピコも半分に割れるようになってんだ。あげられるように。一人で楽しむんじゃなく、友達を作るためなんだよ。十円のあんな小っちゃなものだけどさ。子供の気持ちを大事にするお菓子なんだ。ピュアな感覚で「やるよ、ユー」って。一人で食うのはファックなんだ。あのお菓子は、すげえ世の中に大切だよ。」(真木蔵人著「BLACK BOOK」コアマガジン刊 ※転載許諾済み)

■お菓子のシェアの重要性

知らなかった! たしかにチューペットなどのいわゆるチューチュージュースは割れるし、フィリックスのガムなども割れる。その割れる意味が、真木の言う通りかは不明だが、この説明にはとにかく納得してしますし、そこには感動がある。

高橋源一郎氏は著作でなんどもこの文章について言及、またネット上でも、この文章が定期的にバイラルしてきた。Facebookで「シェア」されるよりも、このお菓子をパキッと割ってもらえたら、それほど嬉しいシェアはたしかにない。

これからの暑い季節、チューチュージュースやパピコを食べる機会も増えるだろう、そんな時こそ「やるよ、ユー」!

※真木氏は昨年に2冊目のコラム集『アイ アム ベックス/スプレッドザラブ』も出版して話題に。
文/関本尚子