つけ麺元祖の店主死去、大勝軒にファンつめかける 具合悪くなる客、涙ぐんで食べる客…店内は悲しみにつつまれ

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12時すぎには大勢のファンがならんだ。
12時すぎには大勢のファンがならんだ。

「つけ麺(もりそば)の元祖」として知られるラーメン店「東池袋大勝軒」を創業した山岸一雄さん(80)が1日、心不全のため東京都内の病院で死去した。

■店内は静かに麺をすする音が

一度閉店した同店は08年に南池袋大勝軒として飯野敏彦さんに引き継いだ。そしてこの店に訃報を聞きつけて多くのファンがつめかけている。年配の人から若い人までさまざまで、店内まで行列ができている。だが店内は日頃のように美味しくすすりあげる音は聞かれず、みな淡々と食べているばかり。

多くのファンは味には舌鼓を打ちつつも、悲嘆にくれていた。
多くのファンは味には舌鼓を打ちつつも、悲嘆にくれていた。

■具合の悪くなるファンも

「ニュースを聞いて半休とってきました。僕は20年来、山岸さんの味に惚れこんできた。あれこそが本当のラーメン。この味が残っても、あの人はもういない、そう思うと食べたあと涙が止まりませんでした」(50歳 会社員)

また中には20代の若いファンも。

「最近はこってりとしたラーメンばかりが人気。このスッキリしながらボリュームのある、この味が僕は大好きでした。自分なんかはファンになっての歴史は浅いですが、本当にかなしい」(24歳 会社員)

この青年も食べながら、店内に飾ってある山岸さんの若き日の写真を見ているうちに、思わず涙ぐんでしまっという。また店内には食べているうちに具合が悪くなってしまったファンもいた。

報道陣も多数つめかけている。
報道陣も多数つめかけている。

■全国の人々に愛をとどけた山岸さん

全国に100店舗超ののれん分け店があり、また、さらにその味が多くのファンに愛されてきた。ラーメン業界では「愛の人」と言われ、のれん分け店にかぎらず多くの店主たちから慕われてきた山岸さん、その愛は味となって全国に広がっていた。多くのファンがつめかけたのば、その証明でもあったろう。

文/鷹村優