あなたの食卓にも「絶滅危惧種のサメ」が? スーパーで売られる“謎の魚”、最新研究が暴いた食品偽装の実態

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スーパーの鮮魚コーナーで、「サメ」や「海の中華スティック」「オーシャンフィレ」といった名前の魚の切り身を見かけたことはありませんか? 手頃な価格で調理しやすいため、食卓に上ることもあるかもしれません。

しかし、そのラベルの裏に隠された、衝撃的な事実が最新の研究で明らかになりました。アメリカのノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究チームが発表した論文によると、米国のスーパーなどで売られているサメ肉の中に、絶滅危惧種のものが含まれていることが判明したのです。

これは、サメの種の保全だけでなく、私たちの健康にも関わる、由々しき問題です。

93%が「サメ」とだけ表示―その正体は絶滅危gsub種だった
研究チームは、米国のスーパーや魚市場、オンラインなどで販売されていたサメ肉のサンプル29点をDNA分析しました。

曖昧すぎるラベル表示

調査したサンプルのうち、実に93%が、具体的な種の名前が記されないまま、単に「サメ」とだけ表示されていました。

絶滅危惧種が3割以上

さらに衝撃的だったのは、その中身です。分析したサンプルの30%以上が、国際的に絶滅の危機が叫ばれている「アカシュモクザメ」や「ヒラシュモクザメ」といった、絶滅危惧種のものであることが判明したのです。

健康へのリスクも

特にシュモクザメなどの大型のサメは、食物連鎖の上位に位置するため、人体に有害な「高濃度の水銀」を体内に蓄積していることが知られています。消費者は、知らず知らずのうちに健康リスクを負わされていた可能性もあるのです。

なぜ?「食品偽装」が横行する世界的なサメ肉市場

なぜ、このような事態が起きているのでしょうか。研究者によると、世界のサメ肉市場では、「食品偽装」や意図的なラベルの曖昧化が横行しているといいます。

世界各地には、「フレーク」「ロックサーモン」など、サメ肉を指す様々な俗称が存在します。こうした曖昧な表示は、消費者を混乱させるだけでなく、業者にとっては、より安価な、あるいはワシントン条約(CITES)などで国際取引が規制されている種を、正規の魚と偽って市場に流通させるための抜け道となっているのです。

「知らない」では済まされない―消費者とサメ保護への二重の脅威

このような不正確なラベリングは、二重の問題を引き起こします。

サメの保護活動への打撃:
どの種のサメが、どれだけ捕獲・消費されているのかを正確に追跡できなくなるため、持続可能な漁獲枠の設定や、個体数の管理といった保護活動が根本から崩壊してしまいます。

消費者への裏切り:
消費者は、自分が何を食べているのかを知る権利を奪われ、意図せずして絶滅危惧種の消費や、健康リスクに加担させられてしまうことになります。

私たちの食卓と地球の未来を守るために

今回の研究はアメリカでの事例ですが、世界有数の水産物消費国である日本にとっても、決して他人事ではありません。

研究チームは、「正確で検証可能な製品ラベルは、消費者とサメの保護活動の両方に利益をもたらすものであり、水産業界が優先的に取り組むべき課題だ」と強く訴えています。

次にスーパーで曖昧な名前の魚を見かけたら、そのラベルの裏には何が隠されているのか、少しだけ思いを巡らせてみてください。私たち消費者が賢明な選択をすることが、自らの健康と、豊かな海の未来を守るための、小さくとも重要な一歩となるのです。

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