ネスレが「食品ロス削減ボックス」スタート SDGs・フードロス問題への画期的な取り組み

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ネスレ日本と、ベンチャー企業・みなとく(東京都港区)は、食品ロス削減を目指した無人販売機「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」 を、6月17日から全国5カ所で開始した。これは食べられるにも関わらず捨てられてしまう食品を減らすための取り組みで、「キットカット」など納品期限超過のネスレ商品を購入できる。

「納品期限超過」は「賞味期限超過」ではない

食品ロスは世界的な問題であり、国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)において、目標12「つくる責任 つかう責任」に該当する。同目標は、衣料、食料、エネルギーなどの諸分野の消費と生産のパターンを確保し、資源を効率利用する経済を目指すものだ。

日本の国民一人当たりの食品ロス量は、1日130g(茶碗約1杯のご飯の量に相当)となり、年間に換算すると約47kgという大きな数値となっている。

SDGsに様々なアプローチで取り組むネスレは、これまでも食品ロスの観点からフードバンクや子ども食堂などへの商品の寄贈を行ってきており、「食品ロス削減ボックス」は食品業界で初の取り組みとなる。

注目してほしいのは、このボックスから購入できる商品は「賞味期限超過」ではなく「納品期限超過」であるということだ。

納品期限は食品業界の商慣習の一つで、商品の製造時点から設定された製品を出荷できる期限のこと。たとえば賞味期限12か月の商品なら、出荷できるのは、「3分の1ルール」なら製造から4か月、「2分の1ルール」なら製造から6か月。これを過ぎた商品は返品され、大部分が廃棄されることになる。

当然、納品期限を過ぎても、賞味期限まではまだ余裕があるのだが、出荷できなくなってしまったのがこの「納品期限超過」商品だ。

ネスレの「みんなが笑顔になる 食品ロス削減ボックス」の使い方

同ボックスではネスレ商品を希望小売価格より10円〜270円安い価格で購入できる。まず、fuuboの公式サイトからスマホで商品を購入すると、購入者の登録メールアドレスにワンタイムキーが送られてくる。

そしてボックスのQRコードを読み取って、ワンタイムキーを入力すると、ボックスのロックが解除され商品を受け取ることができる。また受け取り不正防止のため、ボックス上部にはカメラが備え付けられているなど、セキュリティ面にも配慮がされている。

ネスカフェ原宿に設置されている食品ロス削減ボックス。

食品ロス削減ボックスは現時点で、キラリス函館、新宿郵便局、ネスカフェ原宿、JRゲートタワー(JR名古屋駅)、中国電力本社に設置されており、各エリアでみなとくが商品の配送・補充を行い、1週間1回程度の補充が行われているという。

今回の取り組みは消費者にお得に届けることが目的ではなく、あくまで食品ロスの削減に努めるのが狙い。すでに消費者からの反応も上々で、今後の展開に注目が集まっている。

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