知る人ぞ知る1952年創業の老舗クッキー&ビスケットメーカーによる信頼のブランド「ミスターイトウ」。派手さはないが堅実に、長く愛され続けてきた「ラングリー」シリーズが40周年を迎え、記念商品『ラングリー 北海道ミルククリーム』がリリースされたので、食べてみたい。
長く親しんだ味わい、そのキモは生地とクリームの昭和の時代から伝わる黄金比にあるのか!?
ミスターイトウの「ラングリー」シリーズは1979年生まれのラングドシャ・タイプのクッキー(ラングドシャとは薄く焼いた軽い食感のクッキーのこと)。
同社の「カルケット」でバブバブ時代を過ごし、「アメリカンソフトクッキー」で青春を迎え、大人になって上品な「ラングリー」をたしなむようになったイトウ氏派の人なら余計に食べたい40周年製品が、イトウ製菓株式会社(東京都北区)による『ラングリー 北海道ミルククリーム』(3枚×4袋・希望小売価格 税抜220円・2019年9月2日数量限定発売)だ。
発売当時はラングドシャは高級クッキーの代名詞。それをお近くのスーパーでお手頃価格で入手できるようにしたのがミスターイトウである。その絶妙なサックリ食感の証明は、丁寧に焼き上げることでできたクッキー生地のフチの茶色い部分。
つまり焦げ目なのだが、これを「ブラウン・エッジ」と呼び、同製品のプライドとして維持し続けているのが特徴だ。
通常版はチョコレートクリームやバニラクリームがサンドしてあるが、今回の限定品は、北海道産全粉乳を練りこんだミルククリーム。しかしミスターイトウならではのもう一つの特徴としては、あくまでクッキーが主役という絶妙なバランス感がある。
近年は大盛り、増量全盛時代。とかくこうしたクッキーに挟まれるクリームの類も多ければ多いほどいいという風潮が強い。とくにコンビニ系では濃厚大量が好まれがちだ。
しかし一回立ち戻ってみると、ラングドシャを存分に味わうためのクリームは、やはり脇役なのだ。サックリサクサクな香ばしい食感にふくらみを持たせる”名脇役としてクリームは存在するのだ”というポリシーを感じさせる必要最低限量のクリーム量。今どきではないかもしれないが、老舗のこだわりを感じさせるバランスである。
あくまで主役は口どけ抜群のラングドシャ。上質なミルククリームはそれをより美味しく味わうためのサポート役。よりクリームをたっぷり味わいたいという人には向かないが、クッキー生地の美味しさ主体に味わいたいという人には、このバランスが最高なのだと思う。上質なミルククリームとともに味わうラングドシャの平和な甘さがたまらない。
1枚あたり60kcal、糖質は6.5g、優しい甘さは北海道のてん菜糖を使用している。入手は全国のスーパーなどで可能だ。