マルちゃんの若年層ターゲットの王道を狙うカップ麺シリーズ「QTTA(クッタ)」。「HOT NOODLE」の後継として誕生したが、未だ決定打は出ていないような…。そんな中、ポテトチップスにインスパイアされたとしか思えない2種『MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味/わさび&ビーフ味』が登場した。
日本でもグイグイ定番化しているサワークリームオニオン味のポテトチップス。それをヌードル化してみたら…
その洋風なタテ型のパッケージングとしょうゆ、シーフードから開始という展開から、想定ライバルを明らかに日清食品「カップヌードル」に想定して2018年2月に登場した「QTTA(クッタ)」シリーズ。決してまずくはないが、「カップヌードル」から乗り換えるまではいかないという微妙な立ち位置のまま、CMの松本人志の顔ばかりが浮かぶというのが現状ではないだろうか。
「QTTA(クッタ)」シリーズの特徴はこってりタイプの油揚げ麺による、アブラ感の強さ。だが明らかに違うという部分は見つからず、そのうちに「超スナック系」という形で次第に暴走し始めてきた印象。フライドチキン、ハンバーガーというファストフード系の冒険を経ての、ポテトチップス系。それが東洋水産『MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味/わさび&ビーフ味』(希望小売価格 税抜180円・2019年1月28日発売)である。
それでは食べてみたい。
『MARUCHAN QTTA サワークリームオニオン味』
以前エースコックから『スーパーカップ大盛り プリングルズ サワークリーム&オニオン味焼そば』(2018年10月)が出た時、意外と美味しくて驚いたことがある。その時は焼きそばだったので、いわゆるラーメン版としてサワークリームオニオン味が出るのは初なような気もするが、気がついていないだけかも。
エースコックがコラボしたプリングルスの例でもわかるが、海外でポテトチップスといえば、定番塩味の次くらいの位置をマークするのがサワークリーム&オニオン味。日本で言うところの「のり塩」くらいの人気を誇るのがこの味わい。
サワークリーム自体に日本人はあまり馴染みがないが、乳酸菌で発酵した生クリームのことで、ヨーロッパでは焼きジャガイモのトッピングとして定番。酸味はそれほど強くなく、優しい感じ。そこにたまねぎの刺激的な旨味を加えることで絶妙な美味しさになるのがサワークリーム&オニオン。
だがそれをヌードル化というのはどんなものだろう、と思いつつ食べてみた。フィルムパッケージが剥きにくく、フタがペラペラの薄さで一度めくると重しをしないと閉まりにくいし、うっかり破れがちというユーザビリティーの問題は解決していないようだ。王者「カップヌードル」はフィルムにさりげなくフタを留めるシールが付いているというのに。
そんな不満を抱きながら3分経過。香りは爽やかミルキーなもので、かやくの皮付きポテトが美味しい香りをサポートしている。スープを飲んだらポタージュな感じのホワイトスープ。なにこれ、美味しい。
ラードでわざわざ揚げて、湯戻りもしにくい太麺を採用した苦労が、実はここで報われている。ポタージュ感のあるスープに負けないパスタのような風味を醸し出しているのだ。これはラーメンというより、「カップヌードル」が作り上げた洋風ヌードルの味わい。何となくフォークで食べたくなるような。
オニオンだけでは気が済まず、ガーリックもしっかりかぶせてパセリでキュッと引き締めつつ、濃厚旨味をモチモチの太麺で味わう。失礼ながら、「カップヌードル」シリーズの新製品かと思う素敵な仕上がりである。
『MARUCHAN QTTA わさび&ビーフ味』
この調子でどんなマジックを感じさせてくれるかなと期待したのが、間違いだった。こちらはフタをめくった瞬間にわさびのツーンが目に染みるが、ビーフ仕立てのスープにわさびを合わせているのだが、しょうゆ感が強過ぎて、微妙。
ヤマヨシの名作ポテトチップス「わさビーフ」の憂いを帯びた牛のキャラクターを連想しない人の方が少ないと思うが、挽肉はたくさん入っているものの、スープが熱いためにわさびのツーンは結構邪魔。これは残念ながら美味しさポイントを見つけられなかった。決してまずくはないのだが、焦点がわかりにくかった。
ということで一勝一敗。入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。