一色萌のアイドル、色々。第9回 「アイドルと可愛いの効能」

0

こんにちは。プログレアイドル・xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キスアンドハグ エクストリーム。通称・キスエク)の一色萌(ひいろ・もえ)です。

明けましておめでとうございます。

2019年最初の更新となりましたが、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。

私はキスエクの2018年最後のライブを元気に終えた直後からじわじわと体調を崩し、年越しから年明けにかけては見事に寝込んでいました。幸先が悪い!

それでも年明け一本目のキスエクのお仕事と、推しの卒業ライブの推し事には合わせるようにすっと熱が下がったので、我ながら根性あるじゃない、と思ったりしました。どうやら病は気からというか、病は気力で治ります。(冗談です。体調が悪い時はゆっくり静養してくださいね。インフルエンザとか怖いですし。)

個人的には主にフィジカル面でぐったりな新年の幕開けでしたが、アイドル方面でのニュースも、いくつかの卒業・解散の報に加えてNGT48の事件など、気が滅入ってしまうような話題がすでに多い印象です。

年明けとともに心機一転!と思っていたのに、なかなかうまくはいかないものですね……。

めそめそしていても仕方がないのですが、今はちょっと大きい主語でアイドルを語りたいテンションではないので、今回は私がアイドルを始める前から気になっていたことについて、個人的にアイドル活動を初めてちょうど2年が経過した今このタイミングで考えてみたいと思います。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

あなたはアイドルを見た時、もしくは不意に見かけた時、「あれ、この子、しばらく見ない内に垢抜けて可愛くなったなぁ」と思った経験はないでしょうか。

この場合、アイドルに限らずテレビで見かける女優さんやアーティストさんでも構いません。老若男女問わず、です。

パッと見て何が変わったというわけでもないけれど、何かが変わった気がする。何となくきれいになっている気がする。

そんな方に対して、幼い頃や写りの悪い写真と面白おかしく比較して整形だと揶揄する悪意を目にする度に“気の毒だなぁ”と辟易していたものですが…

そんな「芸能人なんて整形しているのが当たり前」という視線を辿ると、そう思わずにはいられないほど魅力的な変化を遂げてきた先人たちが確かにいて、その変化の源泉については私も関心を持っていました。

そして、とりわけ新陳代謝の活発なライブアイドルの世界においては、その現象がはっきりと見られるような気がしていたのです。

もちろん本当に整形手術をして美しくなった方も存在していて、最近では「ここを手術しました」とカミングアウトしているアイドルさんもいらっしゃいます。

整形をした方は相応の覚悟と対価の上で自身の理想を追い求めていて、それを他人が頭ごなしに否定するのは悲しいことだと感じます。

美醜の感覚は人それぞれであって、その感覚は個性や思想と同じく尊重されるべきものであると私は考えているからです。

よって、この記事は整形そのもの・もしくは整形をしている方を否定する意図はないということを念のためここに明記しておきます。

しかし現実的に考えて、密なライブスケジュールをこなし、ファンと近い距離でコミュニケーションをとる機会も多いライブアイドルにおいて、ライブの合間を縫って整形手術をするのが“よくあること”“当たり前”と考えるのは少し無理があると思います。

可愛い子がアイドルになるのか?アイドルになると可愛くなるのか?

「鶏が先か、卵が先か」のジレンマと似た話のようですが、そんなことを私
は本気で考えていました。

でも、どんな子であっても最初の印象から全く変化のないまま何年も活動しているなんてことはなく、それぞれ魅力の引き出し方を身につけて、芸能の世界で戦うための輝きを増していっているように私には見えました。変化は確かに感じるのです。

そして、次第にそれが成長の結果なのか、努力によって得られたものなのか。また、自覚的なものなのか無自覚なものなのか、そういったことに私の関心は集中していきました。

そうして一人で悶々とするうちに、私は極論じみた仮説にたどり着きます。

魅力的だけれど劇的ではないそれらの変化の要因は、”アイドルになったこと”そのものなのでは?

つまり、「アイドルになったら自然と可愛くなる」のでは?と。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「朱に交われば赤くなる」という言葉があります。

“人は関わる相手や環境によって大きく影響を受け、良くも悪くも感化されていくものだ”という意味のことわざですが、この現象がアイドルの現場においては「外見」や「パフォーマンス」という観察しやすい要素によって、学校や会社で受ける影響よりも顕著に現れているのではないかと思うのです。

元々私がアイドルを始める際の動機のひとつとして、アイドルへの憧れや表現活動への欲求の他に第6回(https://mogumogunews.com/2018/10/topic_23466/)でも少し触れたような、「アイドルの研究がしたい」というものがありました。

アイドルについてより深く知るために自分がアイドルになる、というのは実地調査のようなもので、自分自身を「アイドル好きな地味な女がアイドルになった場合」のサンプルにした形です。

自分であればアイドルになる前も後も表も裏も全部見ることができるので、私にとって私自身はもってこいの観察対象でした。

「毎日のように美意識の高い女の子に囲まれて過ごすことで自身の美意識に変化はあるか」とか、「ライブアイドルの生活リズムがメンタル面に影響を与えるのか」とか、そんな風にアイドルの活動する環境を要因として起こりそうな事象をあれこれと想定して、その変化の有無を自分の身体で感じてみたかったのです。

ほんとうは「アイドルにまったく興味のない人がアイドルになった場合」とか、「アイドルになるべくしてなったアイドルの場合」とかも気になるのですけれど、こればっかりは仕方ないですね。私は私でしかないので……。

そんなわけでオーディションの志望動機欄に「アイドルの研究がしたいです」とかわいくない志望理由を馬鹿正直に書き続けた私は見事にオーディションに落ちまくるのですが、その話はひとまず置いておいて。

幸運にも私はアイドルになることができて、今こうして活動をすることができています。

照明を浴びること。

マイクを握ること。

たくさんの人に見られること。

写真を取られること。

初対面の人が自分を知っていること。

それまでは考えれなかった数々のことが、アイドルになると瞬く間に当たり前のことになっていきます。

そんな環境に身を置くことは、思ったよりもドラマティックではありませんでしたが、それまでの日常とはあまりにも異なるものであることも確かでした。

環境による変化をなるべく素直に受け取ることができるように、家での生活や食べる物、人間関係など、アイドル以前からの習慣に関しては意識的に大きくは変えないまま過ごすようにしてきました。

自分に起きた変化がアイドル活動を通じたものなのか、アイドル活動以外の部分に触発されたものなのか、混同をなるべく避けるためです。

とにかく色々なことに慣れることに必死だった1年目を経て、2年目を振り返ると、少し自分の変化を感じることのできた年でした。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

アイドルになる前の私と2年間アイドル活動をした今の私を比較して言えることは「劇的な変化はないけれど、小さな変化はたくさんある」といった具合です。

私の感じた変化は

・ 肌の調子が安定したこと。

・ メイクが少し濃くなったこと。

・ 人と笑顔で話すことが増えて、顔の筋肉が引き締まったこと。

・ 運動量が増えて体も多少引き締まったこと。

・ 感情が豊かになったこと。

こうして書き連ねるとなんだか怪しいお薬の宣伝のようですが……。これは私がアイドル活動をすることそのものによって感じた変化です。

「人に見られる仕事」という意識はそれだけで少し背筋が伸びるものですが、意識というのはばかにできないもので、中学時代からずっと荒れがちだった私の肌質が多少ではありますが改善されました。すごい。

また、加入当初から今までの自分の写真を見てみると、大きく変えたつもりはなくてもだんだんと濃いめのメイクに変化してきているなぁと感じます。

ステージで照明を浴びる際には普段よりも気持ち濃いめのメイクの方が映えるということを場数で学んできたのだと思います、たぶん。

元々ほとんどメイクをしない生活を送っていたので、まだまだ初心者の試行錯誤中という感じではありますが。。

そしてアイドルになってから一番言われるようになったのが、「やせた?」「顔がシュッとした?」ということ。

ライブ活動をすることで自然と以前よりも運動量が増えて、自然と筋肉量が増えた、というのは予想していたのですが、顔の変化は思いがけないものでした。

それまであまり人とコミュニケーションを取らずに生きてきたので、アイドルになってライブで感情を込めて歌うこと、特典会でたくさんの人と話すことで、それまでさぼっていた表情筋が突然鍛えられたのだと思います。思えば最初の頃は慣れない笑顔で毎回ほっぺが痛かった……。 

表情で感情を表現できるようになると、不思議と心の起伏も幅が広がったようでした。たくさんの人と関わるうちに、怒ったり、悲しくなったり、悔しくなったり、どちらかというと激しい感情の動きが増えました。

こう書くとよくない変化のようですが、それまで何かと溜め込みがちだったことを感情に表したり、他の人に相談するというコミュニケーション手段でアウトプットすることができるようになり、以前よりも精神的には安定しました。あくまでも私の場合は、ですが。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

予想内、予想外、無意識下でも実感できる内外の変化を通して、「人は見られるとキレイになる」という言葉はあながち間違っていないんだなということを実感しました。

身を置く環境や、身近に関わる人から受ける影響は本当に大きいものです。

しかし同時に、アイドルをしているだけで別人のように可愛くなった!ということはなく、 “ちゃんと可愛い”アイドルさんたちは見えない部分で努力や工夫をして、相応に可愛くなっていたんだなぁということにも気づきました。

ある日突然、劇的に可愛くなることはありませんでした。当たり前か。

私がアイドルになる前に立てた「アイドルになったら自然と可愛くなるのでは?」という仮説は私自身の検証の結果、半分はそうで、半分はそうではありませんでした。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

一つ一つは小さな変化でも、トータルで見ると大きな変化になっているのかもしれません。

その全てを詳細に指摘するのは難しいから、「可愛くなったね」や「なんか魅力的になったね」という言葉に集約されていくのだと思います。

そしてその言葉はきっと、かけた相手にとってもあなたにとっても、思った以上の効果を発揮します。そして「可愛い」は伝播します。

私は今まで「可愛い」と言われる人生ではなかったし、どちらかというと「かっこいい」方に憧れる性分ではありますが、せっかくアイドルになれたのだからやっぱりもっと「可愛い」と思ってもらいたいし、応援してくれる人にとっては自慢の推しでありたいなぁというのは自然な心の動きなのかなと受け止めています。

環境に身を任せて感じる変化はこのあたりで頭打ちの気配を感じているので、今年は努力や工夫で変わっていくことを目標にしようかな、なんて思っています。

自分では気付くことが難しく、言われて初めて実感することも多いので、一色萌、なんか変わったかな?という点に気づいたら教えていただけたらうれしいです。

もちろん私でなくても。あなたの推しがいつもよりすてきだな、魅力的だな、と感じる日があったなら、そのことを伝えてあげてくださいね。

【プロフィール】

一色 萌(ひいろ もえ)

ニックネーム:萌ちゃん、萌氏、誕生日:5月27日、出身:東京都、血液型:A型、趣味:アイドル研究、特技、アイドルについて話すこと

WALLOP放送局「キスエクのギュッと!プログレッシヴ!」レギュラー出演中(2018.4〜)

<一色公式Twitter> https://twitter.com/hiiro_moe

<公式Twitter> https://twitter.com/xoxo_extreme

<公式YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UCA7fn3DZFJGDmlxZZg8WQVA

<取材・オファー等> Email : contact@twelve-notes.com

【グループプロフィール】

xoxo(Kiss&Hug) EXTREME(キス・アンド・ハグ・エクストリーム 通称:キスエク)

楠 芽瑠・一色 萌・小日向 まお・小嶋 りんの4名からなる、プログレッシヴロック(略:プログレ)の楽曲を中心にパフォーマンスしているアイドル。プログレとは、曲調がよく変わる・曲が長い・変拍子…等が特徴の楽曲です。

2017年に、発売したシングル「えれFunと”女子”TALK〜笑う夜には象来る〜」に対して(キング・クリムゾン「エレファント・トーク」オマージュ)元キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリューがその動画に「I like it!」とコメントで絶賛。

ライブ活動の他、ディスクユニオン新宿プログレ館で一日店員を務めたり、プログレファンの聖地である吉祥寺シルバーエレファントに、アイドルとして初出演。

2018年にフランスを代表するプログレバンドMAGMA公認カヴァー曲の「The Last Seven Minutes」を初披露。その動画がyoutubeにアップされると、カヴァーを公認したMAGMAが、公式Facebookで紹介したこともあり、一日で2000以上の再生数を得て話題になる。

同年2月4日に記念すべき初のワンマンライヴを鹿鳴館にて開催。プログレッシヴロックを知っている人も知らない人も楽しめるLIVEと評判。