辛い香辛料の中でも日本ならではの奥深い味わいで、鍋物などには欠かせなくなっている柚子胡椒(ゆずこしょう)。チューブタイプでもおなじみのそちらに比べると、鍋物の季節以外だと入手が少々難しくて一般的ではないが、ラーメンスパイスとしても最強の部類に入ると記者は思うかんずり。ひとくせ入った、『明星 チャルメラどんぶり 新潟かんずり 旨辛みそラーメン』と『同 大分柚子胡椒 鶏白湯ラーメン』の味わいはいかに?
君はどっち派!? 国民的人気にのし上がった柚子胡椒 vs 地味だけれども和風タバスコ的な味わいで人気急上昇のかんずり!
明星食品から登場した、カップ麺でのかんずり vs 柚子胡椒対決。記者はずっと待っていた。というのも世間的に柚子胡椒は大人気を博しているけれど、かんずりはまだまだな印象だから。たまにポテトチップスの変わり味などで商品化されることもあるが、商品としてはまだまだ珍しい。
そもそも有限会社かんずり(新潟県妙高市)の「かんずり」自体が、スーパーなどでもまだまだ確実に手に入るとは言い難い(鍋物シーズンは比較的入手しやすい)。柚子胡椒は各メーカーで商品化されているが、かんずりの方は登録商標のためか、他社製品を見かけないというのも要因かもしれない。ただこのかんずり、非常に使いでのある調味料だ。記者も新潟出身ではないが、必ず常備しているし、切らしていた場合は鍋物を中止してしまうくらいの勢いで大好きである。
『明星 チャルメラどんぶり 新潟かんずり 旨辛みそラーメン』
かんずり入門、まずはここから、という感じで『明星 チャルメラどんぶり 新潟かんずり 旨辛みそラーメン』。かんずりは塩漬けされた赤唐辛子を「雪さらし」という文字通り、雪にまみれさせてアクと尖った辛味を抜き、糀、柚子、食塩を加えて3年間熟成させて作られる発酵辛味調味料。その味わいは赤みの割にはマイルドで、旨味と酸味との調和が見事な独特の風味。
記者は日頃から「サッポロ一番 塩らーめん」には欠かさず入れて楽しんでいるが、みそラーメンにかんずりというのは王道中の王道の美味しさとなる。みそ感を加速させながら程よい辛味を与えてくれるので、想像もしやすいのではないだろうか。
かやくはキャベツ、ニンジン、コーンと味噌ラーメンの王道。ポークをベースに味噌と香味野菜で仕上げ、細身の油揚げ麺でいただく。食べてみると、まさに冬の味。辛味も強めで体の芯からポカポカ温まる。コーンが良い仕事をしていて、かんずりを配合したペーストを入れると、特有のゆずと糀が香りだち、味噌とともに和風な風味を際立たせる。
これは美味しい。きっとこの『明星 チャルメラどんぶり 新潟かんずり 旨辛みそラーメン』を食べると、かんずり自体のファンが増えるのではないだろうか。未体験の人のかんずり味入門編としても最適だと思う。
『明星 チャルメラどんぶり 大分柚子胡椒 鶏白湯ラーメン』
すでに人気を博している柚子胡椒。鶏ベースの白湯(パイタン)スープに合わせて、美味しくないはずがないと予想できるのが『明星 チャルメラどんぶり 大分柚子胡椒 鶏白湯ラーメン』。柚子胡椒は大分県の名産調味料で、細かく刻んだゆずの皮と青唐辛子に塩を加えて混ぜ合わせた和風スパイス。爽やかな柑橘感がありつつ辛い、非常にわかりやすい美味しさで、鍋物のつけダレからやきとりにつけて食べる、ラーメンやスナックの隠し味にすると、様々な活用法で国民的な人気を得ている。
豚肉などでも美味しいが、やはり鶏肉との相性は抜群。なのでこの『大分柚子胡椒 鶏白湯ラーメン』は、もはや美味しくしかなりようがないのである。白くとろみのついたスープは鶏とポークがベース。にんにく、生姜という援軍を得て、溶き卵感覚で仕上げた一品だ。
かやくはそのたっぷりタマゴと、味のしっかりした鶏肉ダイス。それを細身の油揚げ麺で食べる。マイルドで辛味を抑えつつ、柚子胡椒特有の爽やかな辛さで引き締めた味わい。確かに美味しい。でも日頃から活用しまくっている柚子胡椒だけに新たな驚きはないといいう印象だ。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。