でかでかと書かれた”牛めし”の文字に勘違いしないように。蓋にも注意書きされているように”牛肉は入っておりません“。代わりに入っているのは大豆で作った肉。”畑のお肉”などの名称で販売されている大豆粉で作ったフェイクミートである。それを知っていることを前提に『日清 日本めし スキヤキ牛めし』を食べてみた。
つゆだくの牛めしとすき焼き感を合わせた創作和食ということだが、なぜ肉抜きかの理由が欲しい!
いざお湯を入れて作ろうとしてパッケージをよく見て気がついた。牛めしというから牛肉を期待してしまうのだが、何とここに入っているのは牛肉ではなく大豆で作ったフェイクミート。正直一気にテンションが下がった。もし知らないで買ったらかなりショックだろう。
そんな要注意な特徴を持つのが、日清食品『日清 日本めし スキヤキ牛めし』(99gうちライス79g・希望小売価格 税抜220円・2017年8月28日発売)だ。カップ雑炊製品である。今回が第一弾となる「日清 日本めし」シリーズは、日清食品がうまい和食について本気で考え、和食の新しい形となる “ファストフード和食” を提案する新ブランドということなのだが、そこで日清食品独自製法とはいえ”大豆でつくったお肉”で牛めしを作るという意図がわからない。
釈然としないまま、熱湯を注ぎ、5分待ち。蓋の上に添付されていた「割り下」を入れて混ぜることで出来上がる。雑炊なので、箸よりもスプーンの方が食べやすいだろう。かやくは大豆ビーフ、豆腐、ニンジン、ネギ。大豆ビーフも豆腐も大豆じゃないかと突っ込みたくなるのをこらえて、実食。
ごはんは平たく加工された独特のものだが、とても美味しい。すき焼き風味の甘いスープによく合っていると思う。時間がたてば経つほどトロリ感が増して、確かにつゆだくの牛めしのような味わいを感じる瞬間もある。
大豆ビーフはさながらしょっぱさの強いビーフジャーキーのような味。これを牛肉と誤解する人はいないと思うのだが。決してまずくはないし、美味しいのだけれど、どうにも釈然としなくて箸が進まない。これが牛めし”風”と大書されていればともかく、じゃっかん小さめなのが、アメリカ人なら”フェアじゃない!”と叫びたくなるところではないだろうか。
フェイクグルメは楽しいが、そのやり方によっては見え方が全然違ってしまうのだなと痛感した製品だった。パッケージはしっかり見よう。