猛暑・酷暑の季節真っ只中。そして誰もの背中のすぐ後ろまで迫っているのが熱中症の恐怖。今まで大丈夫だからといって安心できない、その最大要因が脱水症状。しかし近年ではイオン飲料をうたうスポーツドリンクよりも経口補水液にせよという風潮。わかっちゃいるけど、あれはまずい…。そんなシーンに『アクエリアス 経口補水液』は果たして風穴を開けてくれるのか!?
とにかく味よりも機能優先で生まれた経口補水液。しかしうかつに飲みたくないそのまずい味わいはどうにならないのか。
ドラッグストアにうず高く積まれていて、価格も高い。しかし熱中症対策には圧倒的に良いというのでその経口補水液なるものをついつい購入。グイッと飲んでオエっとなった経験を持つ人は多いのではないだろうか。
昭和に青春を過ごした人なら、その昔、発売当初(1980年)の「ポカリスエット」(大塚製薬)はこんな風に厄介な味だったなと思い出す人もいるかもしれない。飲む点滴として評判となった当初の「ポカリスエット」は正直美味しいものではなかった。それが今のポカリはすっかり美味しいドリンクの仲間入り。
その後発品として83年に誕生したコカ・コーラ社による「アクエリアス」は、その点清涼飲料水寄りで、まずくないのが特徴だった。しかし飲みやすいが故に効果が薄いのでは? というイメージを抱く人も…。
そうした美味しいスポーツドリンクの定番ブランド「アクエリアス」が今回挑んでくれたテーマは、美味しい経口補水液。コカ・コーラシステム『アクエリアス 経口補水液』(500ml・希望小売価格 税抜186円・2017年6月5日発売)は、経口補水液の不味さにうんざりしている記者のような人々のための製品である。
ただ今回も先行している大塚製薬の「OS-1(オーエスワン)」が、それこそ脱水症状の解消療法に適した個別評価型病者用食品という許可を得ているのに比べて、この『アクエリアス 経口補水液』は”本製品は特別用途食品(病者用食品)ではありません。”と明記されているのが特徴。
つまり経口補水液と銘打ってはいるけれど、ナトリウム、カリウムなどの濃度が高めに設定された清涼飲料水としてのイオン飲料という微妙な位置付けとなる。なので本気の脱水症状時に飲むというよりは、暑い日々の中で軽く脱水症状になりそうな時に飲む健康な人のための熱中症対策と考えた方が良さそうだ。一応「(公財)日本学校保健会」推薦商品。
最近では糖分の高さから、糖質制限時、ロカボ食としては適していないと言われるスポーツドリンク。吸収速度が高く、血糖値が一気に跳ね上がるタイプのブドウ糖、果糖が入っていることも理由の一つ。この『アクエリアス 経口補水液』もそれらがメインなので、日常的に飲むことは避けたいドリンクではある。
飲んでみると、確かに塩気は強いが、十分美味しい。これで熱中症予防に役立つなら、炎天下の下で飲みたくなる味わいだ。逆に涼しい室内ではしょっぱさを強く感じてしまうかも。すっきりとした柑橘フレーバーでぐびぐび飲める。
気になる糖質量は1本につき13.5g。炎天下の作業やスポーツに興じる際はもちろんのこと、仕事柄なかなかスーツを脱げない営業マンや、暑い電車内での水分補給にうってつけだと思った。ただ最近ニュースにもなっているので、幼児などにはビタミンB不足の原因になるので、注意して与えたい。