原宿、目黒、吉祥寺など都内に7店舗を持つ昭和63年創業のラーメンチェーン・野方ホープ。背脂こってりラーメンが人気なのだが、こちらには裏メニュー「スーパー」というものがあり、それが壮絶に美味い。ラーメン二郎などで「アブラ」を追加するような“アブラー”たちにはぜひとも試してもらいたい!
■店員さんも「…大丈夫ですか」という衝撃裏メニュー
「アブラーにとっては天国のようなラーメンですと」と、ラーメンマニアの知人に教えてもらい、さっそく吉祥寺店で試してみたら、筆者はそこまでの脂好きではないものの、これは最高と思った次第。
同店でラーメンを注文すると「脂の量は?」と聞かれるので「…スーパー」で言う。すると店員さんが一瞬息をのんだ後「ほとんど脂ですけど大丈夫ですか…」と言われるので、「…お願いします」と言うだけだ。この店のラーメンのスープは、どんぶりにタレを入れ、スープをなみなみ注いで上に背脂をちゃっちゃとふりかける。
だがスーパーの場合は、スープの量を極限まで減らし脂を極限までふりかけるのだ。ふつうならば、ちゃっちゃっというのが10回も聞こえるぐらいなのだが、20回、30回、40回まだ終わらない…という時間の長さ。運ばれてきたラーメン、たしかに物凄いものになっている。天下一品のこってりほどの粘度があるのだ。
■天一のこってり超える衝撃のインパクト
とはいえ天一のねっとり感は、植物性のものやガラのコラーゲン質由来であり、野方ホープの「スーパー」とはまったく違うもの。こちらのスープをすすると、動物性の脂のうまさがガツンと脳天にくる。厳密に言えば舌が美味いと思うよりも早く、脳に「本気でスーパー!」という衝撃が走る。その後にようやく、「うんめええ〜」となる。
肉の旨味を形成する中心部分は脂であると言っても過言ではなく、脂ばかりとなったスープは強烈に美味い。厳密に言えば美味すぎて、頭がどうにかなってしまいそうなインパクトがあるのだ。
■究極のアブラそばであり、本当のアブラそばなのだ
油そばという食べ物があるが、こっちは本気過ぎる「脂そば」。麺への脂の絡み方がものすごく、スープはほとんど飲まないつもりでも、食べ終わった後には、どんぶりにはわずかなスープしか残らないほど。脂の旨味の海に溺れてみたい、全国のアブラーたちは、ぜひとも試していただきたい!
文/原田大