「犬は飼い主に良い影響」が凄すぎる! 最新研究が明かす『ストレス反応の最適化』とは?

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現代社会に生きる私たちの多くが、日々「ストレスに押しつぶされそう」と感じています。ストレスは心だけでなく、がんや心臓病、さらには認知症などのリスクを高めることも分かっており、その対策は急務です。

そんな中、私たちの最も身近なパートナーである「犬」が、これまで考えられていた以上に、私たちの心と体に深く、そして複雑な良い影響を与えている可能性が、最新の研究で明らかになりました。

それは単なる「癒やし」という言葉だけでは説明できない、驚くべき効果だったのです。

ストレスにも「良いゾーン」がある?犬がもたらす驚きの効果

そもそも、人間がストレスを感じたとき、体の中では何が起きているのでしょうか。実は、体は2つの主要なシステムを使ってストレスに対応しています。

HPA軸(ゆっくり反応):ストレスホルモン「コルチゾール」を分泌。数時間から数日続くような脅威に備えます。

SAM軸(すばやく反応):「闘うか、逃げるか」の反応を引き起こす。アドレナリンが放出され、心拍数が上がり、脅威に立ち向かうエネルギーを生み出します。

これまでの研究では、犬と一緒にいるとストレス状況下での「コルチゾール」の分泌が抑えられることが分かっており、これが「犬が人をリラックスさせる」という説の主な根拠でした。

しかし、デンバー大学の研究チームは、もう一方の「SAM軸」の反応も同時に測定。すると、非常に興味深い事実が判明したのです。

ストレスのかかる課題(人前でのスピーチや暗算など)に挑戦してもらったところ…

犬がいない人:コルチゾールは上昇。しかし、すばやく反応するはずのSAM軸の反応が鈍く、体がうまく「臨戦態勢」に入れていない様子が見られた。

愛犬と一緒の人:コルチゾールの急上昇は穏やか。その一方で、SAM軸は健康的に活性化し、適度な覚醒と集中力を保っていることが分かった。

SAM軸の反応が鈍いのは、実は慢性的なストレスやトラウマを抱える人に見られる「消耗した状態」のサインでもあります。つまり、犬がいない参加者は、ストレスに対してうまく対処できていなかった可能性があるのです。

対照的に、愛犬といた参加者は、過度にストレスを感じることなく、しかし課題にはしっかりと集中できる「ストレス反応の最適なゾーン(スイートスポット)」に留まることができていました。

「癒やし」を超えて。犬がもたらす健康へのインパクト

この研究は、犬が私たちに与える影響の解像度を大きく引き上げました。

犬は、私たちをただリラックスさせてくれるだけではありません。ストレスという脅威に直面したとき、私たちの体が過剰に反応したり、逆に対応できずに消耗したりするのを防ぎ、最も効果的に乗り越えられるよう、心身のバランスを最適化してくれるのです。

犬の飼い主は心臓発作後の生存率が4倍も高い、といった過去のデータにも、この「ストレス反応の最適化」が関係しているのかもしれません。

研究チームは現在、この発見を基に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える退役軍人に対する介助犬の効果について、さらに詳細な研究を進めているそうです。

犬は、単にかわいい家族というだけでなく、ストレスフルな現代社会を健康に生き抜くための、最も身近で効果的なパートナーと言えるのかもしれませんね。

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