【皮肉すぎ】 大気汚染対策すると地球温暖化が進む 中国の空気がきれいになると地球が暑くなる

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記録的な猛暑が世界各地で頻発し、私たちの生活を脅かしている。その主な原因が温室効果ガスによる地球温暖化であることは広く知られているが、近年の急激な気温上昇の裏に、もう一つの意外な要因が隠されていることが最新の研究で明らかになった。それは、私たちの健康を守るために進めてきた「大気汚染の改善」だ。

温暖化を覆い隠していた「人工の日傘」

長年、工場や発電所から排出される二酸化硫黄などの大気汚染物質は、深刻な健康被害をもたらす一方で、地球の気温を抑制するという皮肉な役割を担ってきた。これらの微粒子(エアロゾル)が太陽光を反射し、まるで地球に「人工の日傘」をさしているかのように、地表に届く熱を和らげていたのだ。

このマスキング効果は非常に大きく、過去一世紀にわたり、人為的な温暖化を最大で0.5℃も抑制してきたと試算されている。私たちは、知らず知らずのうちに汚染物質の「日傘」に守られ、本来の温暖化の進行度を体感できずにいたのだ。

中国の環境政策が暴いた不都合な真実

この状況が大きく変わったのが2010年代以降だ。特に中国をはじめとする東アジア諸国が、国民の健康を守るために強力な大気汚染対策に乗り出し、二酸化硫黄の排出量を劇的に削減した。その結果、空はきれいになったが、同時に温暖化を覆い隠していた「日傘」が取り払われることになった。

世界8つの気候モデルチームが参加した最新の研究によると、東アジアの大気質改善だけで、世界の平均気温を約0.07℃上昇させる効果があったという。これは、近年の温暖化の急激な加速を説明するのに十分な値だ。つまり、大気汚染対策の成功が、皮肉にも地球温暖化の真の姿を白日の下にさらし、私たちが直面する猛暑の一因となっているのである。

本当の敵は温室効果ガス

もちろん、だからといって大気汚染対策を止めるべきだという話にはならない。大気汚染が引き起こす健康被害は計り知れず、クリーンな空気は私たちの生活に不可欠だ。

重要なのは、大気浄化によって温暖化が「引き起こされた」のではなく、これまで隠されていた温暖化が「顕在化した」という事実である。根本的な原因は、あくまで増え続ける温室効果ガス排出量にある。

今回の研究は、私たちに厳しい現実を突きつけている。もはや汚染物質による偶然の冷却効果に頼ることはできない。私たちは、健康を守るために大気汚染と戦い続けると同時に、気候変動の根本原因である温室効果ガスの削減に、これまで以上に真剣に取り組む必要があるのだ。

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