カリフォルニアの胃腸科医、サウラブ・セティ医師が、健康に良いアルコール飲料について興味深い見解を述べています。
多くの人がリラックスのためにお酒を楽しむ一方で、アルコール摂取は病気のリスクを高める可能性があるという研究結果も出ています。健康に気を遣いながらもお酒を楽しみたいという方にとって、セティ医師のアドバイスは役立つかもしれません。
テキーラ:意外な健康効果
セティ医師によると、「アガベ植物」から作られたアルコールは、炭水化物や糖分が少なく、他のアルコール飲料よりも体に優しいとされています。アガベとは、メキシコを中心とした中南米などに分布する常緑の多肉植物。テキーラの原料としても知られており、このアガベから作られたテキーラが最も良い選択肢とのことです。
研究では、テキーラは非消化性で、他のアルコールと比べて血糖値をあまり上昇させないことが分かっています。さらに、テキーラはグルテンフリーで、腸内細菌に良い影響を与えるプレバイオティクスも含んでいます。
テキーラの分解速度
アルコールは体内で分解されると毒素に変わり、DNAを損傷させ、その修復を妨げる可能性があります。しかし、テキーラは他のアルコールに比べてこの分解が遅いそうです。セティ医師は、「テキーラは他のアルコール飲料に比べてアセトアルデヒドに代謝される速度が遅いため、一部の人々がテキーラを飲んだ際に二日酔いを感じにくいのはそのためかもしれません」とニューヨーク・ポストに語っています。
ただし、これらのメリットは「100%アガベテキーラ」に限られるとセティ医師は強調しています。砂糖の多い飲み物でテキーラを割ってしまうと、その利点は失われてしまいます。
カロリー面でも優秀
カロリー面でも、テキーラは優れています。ウォッカ1ショットが約96キロカロリーであるのに対し、純粋なテキーラ1ショットは約64キロカロリーです。
アルコールの危険性
しかし、公益社団法人日本WHO協会のデータによると、アルコール飲料には依存症を引き起こす可能性のある精神活性物質および毒性物質であるエタノールが含まれています。2019年には世界で約260万人が飲酒が原因で死亡しており、そのうち160万人が非感染性疾患、70万人が傷害、30万人が感染性疾患による死亡でした。アルコール関連の死亡者数の大部分は男性で、約200万人が亡くなっています。
また、15歳以上の世界人口の約7%にあたる4億人がアルコール使用障害を抱えており、このうち2億900万人(世界の成人人口の3.7%)がアルコール依存症です。アルコール摂取は少量であっても健康リスクをもたらす可能性があり、特に大量や継続的な摂取はその害を増大させます。
賢い飲酒を
健康に効果的なアルコールは存在しますが、アルコール摂取に伴うリスクを知り、その有害な影響から身を守るための行動をとることが重要です。