データベースのバージョンアップ–それはIT部門にとって、避けて通れない試練です。私も企業の情シスとして何度もこの荒波に揉まれてきました。深夜に及ぶテスト作業、予期せぬエラー、そして「あれ、昨日まで動いてたのに?」というデジャヴ。しかし、そんな苦労を一気に解決してくれると噂で聞いていたのが、インサイトテクノロジーの「Insight SQL Testing」。そのアップデート版のリリース発表会で、噂の真偽を確かめてきました。
データベース移行の悩みを一挙に解決
まず、なぜデータベースのバージョンアップがこんなにも大変なのか。その理由は、アプリケーションが発行する膨大なSQLのテストにあります。手動での検証は時間も人手もかかり、ミスも起こりやすい。実際、多くの企業がテストをスキップしてしまうケースが40%もあるというデータがあります。私自身も、「まあ、大丈夫だろう」と高を括った結果、後で冷や汗をかいた経験があります。
「Insight SQL Testing」がもたらす革命
「Insight SQL Testing」は、データベースのバージョンアップやリプレース時に必要なアプリケーションの動作テストをSQLレベルで自動化するソフトウェアです。本番環境でアプリケーションが発行するSQLを自動収集し、移行先のテスト環境でテスト・評価が可能です。これにより、手動では到底不可能なレベルのシミュレーションを実施できます。
たしかに機能を聞いていると、かつてこれがあったら、あんな苦労はしなかったのに…と思うものばかり。膨大なSQLのテストが自動化され、エラーの修正案も即座に提示。以前は数週間かかっていた作業が、数日で完了するようになるでしょう。しかも、性能劣化の検知機能もあるので、移行後のパフォーマンス低下も未然に防げます。
特に驚いたのは、生成AIによるエラー分析機能の強化です。Amazon Bedrockの複数の推論モデルに対応しており、ユーザー独自のプロンプトも使用可能になりました。これにより、エラーの原因特定から修正案の提示までを自動化できるのです。
Snowflakeへの対応強化も嬉しいポイント
最近では、クラウドデータウェアハウスのSnowflakeを活用する企業も増えています。「Insight SQL Testing」は、このSnowflakeへの移行やバージョンアップにも対応。生成AIによるSQLの修正提案も可能なので、新しい環境への移行もスムーズです。Snowflakeを使いたいけど、という企業には本気でおすすめ。
ココナラの導入事例では約8億本のSQLを短期間でテスト完了
発表会にはスキルマーケット「ココナラ」のシステムプラットフォーム部の川崎雄太部長が登壇。ココナラはAmazon Aurora MySQLバージョン3への移行時に「Insight SQL Testing」を利用し、約8億本のSQLをテストしたそうです。この数字だけでも、その性能の高さがうかがえます。
人材不足の解消にも寄与
近年、IT業界では人材不足が深刻化しています。高度なスキルを持つエンジニアが不足している中、テスト作業に多くの人手を割くのは効率的ではありません。このソリューションは、自動化により人手を削減し、重要な業務にリソースを集中させることが可能です。
データベースのバージョンアップや移行は、確かに大変な作業です。しかし、「Insight SQL Testing」のような強力なツールを活用することで、その負担は大きく軽減されます。もしかつての私と同じような悩みを抱えている情シスの皆さんがいれば、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。