中国の水族館、ジンベエザメがロボットで大炎上 『メカジンベエ、逆に凄い』という意見も

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深センのシャオメイシャ・シーワールド水族館が5年間の改修工事を終え、10月1日に待望の再開を迎えました。しかし、目玉アトラクションとして宣伝された「ジンベエザメ」が実はロボットであったことが発覚し、訪れた多くの来場者からの批判を浴びています。この意外な展開に対する反応は、怒りから皮肉、そして意外な称賛にまで広がっています。

期待を裏切った「ジンベエザメ」

シャオメイシャ・シーワールドは、改修後の大々的な再開に際し、新たな目玉としてジンベエザメを前面に押し出し、大きな注目を集めました。プレオープン期間中のわずか1週間で約10万人もの来場者が訪れ、約40ドル(約30ポンド)の入場料を支払った人々は期待に胸を膨らませていました。しかし、その期待は大きく裏切られることに。

実際に展示されていたのは、ジンベエザメを模した巨大なロボットでした。これを知った来場者たちは失望を隠せず、SNSや口コミで不満の声を次々と上げました。ある来場者は、「会場は狭く、ジンベエザメは人工物だった。午後3時には、すでに払い戻しを求める人がいた」とコメントしています。また別の来場者は、「ジンベエザメの名前を聞いたときは期待に胸を膨らませていたが、到着してみると機械仕掛けのジンベエザメだった。全く面白くない」と厳しい批評を投稿しました。

炎上するSNS、皮肉と称賛も

水族館の目玉がロボットであったことに対する批判の声がSNS上で急速に広がる中、ユニークな視点から皮肉を交えるコメントも登場しました。例えば、「数千万円もかけたメカ・ジンベエザメを見られた客は、その体験をありがたく思うべき」といった皮肉めいた投稿が注目を集めています。

また、一部の来場者からは展示されている本物の魚の状態についても悪評が寄せられました。「魚の健康状態が悪く、全体的に管理が行き届いていない」といった指摘があり、水族館側の対応にも疑問の声があがっています。このように、ロボットジンベエザメの展示に対する批判は単なる期待外れにとどまらず、水族館全体の質に対する不満へと波及している状況です。

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水族館側の釈明と「メカジンベエ」の意図

水族館側もこの騒動を無視するわけにはいきませんでした。彼らはロボットジンベエザメを設置した理由について、「来場者を騙すためではなく、ジンベエザメの取引を禁止する法律を守るため」と説明しています。ジンベエザメは国際的に保護されている種であり、その捕獲や展示に対して厳しい規制が課されています。そこで、彼らはジンベエザメの存在感を伝えるために、数百万中国元(約数千万円)をかけてこの巨大ロボットを製作したというのです。

しかし、この説明は必ずしも来場者全員を納得させるものではありませんでした。「ジンベエザメの代わりにロボットを使うというアイディア自体は理解できるが、事前にもっとはっきりと伝えるべきだった」といった声が多く、透明性の欠如が来場者の失望感を増幅させたようです。

一方で、メカジンベエに対して肯定的な意見も一部存在します。「本物を見ることができないなら、技術を駆使して可能な限りリアルなものを作り上げるのは凄いことだ」といった意見や、「子どもたちにジンベエザメの姿を見せるためには良い方法だ」という肯定的なコメントも寄せられており、ロボットジンベエの意義を認める人々もいることが分かります。

「メカジンベエ」の未来は?

今回の騒動は、水族館にとって重要な教訓となったかもしれません。来場者との信頼関係を築くためには、こうした展示内容に対する事前の説明や透明性が必要不可欠です。次回の展示企画では、より多くの人々が「凄い」と心から感動できるような体験を提供するため、今回の教訓を活かして改善が行われることを期待したいところです。

今回のメカジンベエは、確かに一部で「逆に凄い」と称賛を受けるほどの技術力を示したものの、多くの来場者にとっては期待外れの結果に終わりました。今後はその技術をどのように活用し、人々を魅了する体験を提供できるかが、水族館業界にとって重要な課題となるでしょう。

編集部: