男性器が過去30年で24%増大 進化?それとも化学物質など環境悪化による影響?

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男性器のサイズが、短期間のうちに増加傾向にあることが、最新の研究により明らかになっている。一見一部の男性にとっては喜ばしいニュースのようだが、この劇的変化の背景には、深刻な懸念が存在する。

男性の勃起時の平均的長さが、大幅に増加

この研究では、1942年から2021年の過去80年間に、世界中から集められた55,761人の男性のデータもとに分析。それによれば過去30年間で男性の勃起時の平均的長さが、大幅に増加した(平常時ではない)。また自己申告による測定値は信頼性に欠ける可能性があるため除外し、研究者が直接測定したデータのみを使用した。測定方法も統一されており、「陰茎の根元(恥骨陰茎結合部)から亀頭先端(尿道口)まで、背側面に沿って」行われたものだ。

その結果、興味深いことに弛緩時の陰茎の長さには有意な変化は見られなかったが、勃起時の長さには顕著な増加が確認された。具体的には、勃起時の平均長さが過去29年間で24%増加し、12.3センチから15.2センチへと変化していたのである。

懸念される背景要因

研究者たちは、この増加が単なる偶然や測定方法の違いによるものではないと考えている。スタンフォード大学医学部の筆頭著者であるマイケル・アイゼンバーグ氏は、「他の男性の生殖健康指標で見られる傾向を考慮すると、環境への曝露が陰茎の長さに影響を与えている可能性があります」と述べている。

彼はさらに、「農薬や衛生用品などの化学物質への曝露が、ホルモンシステムと相互作用している可能性があります。これらの内分泌かく乱化学物質は、私たちの環境や食生活の中に広く存在しています」と指摘。

また、化学物質への曝露が思春期の早期化を引き起こし、それが生殖器の発達に影響を与えている可能性も示唆されています。「身体の構成が変化すると、ホルモン環境にも影響が及びます。思春期のタイミングの変化は、生殖器の発達に直接関与します」とその背景を示唆した。

さらなる調査の必要性

研究チームは、測定技術や参加者の状態など、結果に影響を与える可能性のある他の要因も認めている。しかし、この明らかな傾向が男性の生殖健康全体に及ぼす影響を考慮すると、さらなる調査が必要であると強調。

「この増加は比較的短期間で起こりました。これほど急速な変化が見られるということは、私たちの身体に強い影響を及ぼす何かが存在するということです。これらの発見を確認し、原因を特定することが重要です」とアイゼンバーグ氏は語っている。

男性器サイズの増加は一見すると良いニュースのように思えるが、その背景にある環境要因や化学物質への曝露がもたらす影響は無視できないところ。男性の生殖健康に関するこの新たな発見は、私たちが日常的に接する環境や製品について再評価する必要性を示しているといえるだろう。