【ミステリー】エベレストは毎年大きくなっている その意外な理由が解明された

世界最高峰のエベレストは、他のヒマラヤ山脈の山々よりもずば抜けて高く、しかも今もなお成長を続けています。その理由はこれまで謎とされてきましたが、最新の研究でついに解明されたかもしれません。

エベレストの成長の謎

エベレストは、1年に約2mmずつ高くなっており、2020年には公式の標高が8,848.86mに改定されました。これは、以前の標高より1m近くも高くなったことになります。

これまで、エベレストの成長は地殻変動によるものと考えられてきましたが、この説では、エベレストがヒマラヤ山脈の他の山々と比べて異常に高い理由を説明することができませんでした。エベレストは、2番目に高い山よりも約250mも高くそびえ立っているのです。

驚きの原因は75km離れた川

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、エベレストから約75km離れた川の浸食作用が、エベレストの成長に影響を与えている可能性があることを発見しました。

この川は、長い年月をかけて大量の土砂を削り取ってきました。その結果、地殻の一部が軽くなり、下から押し上げる力によって「浮き上がる」現象が起こります。これは「隆起」と呼ばれる現象で、一見矛盾しているように思えますが、地殻のバランスを保つために起こる自然な現象なのです。

川の浸食作用が隆起を加速

エベレストの場合、約89,000年前に近くのアルン川とコシ川が合流して以来、この隆起が加速しているようです。

2つの川が合流したことで、コシ川の水量が増加し、浸食力が強まりました。より多くの土砂が削り取られるようになり、エベレストの隆起が加速し、山頂がさらに押し上げられていると考えられています。

長い年月をかけて成長

この隆起は、1年に数mm程度とゆっくりとしたプロセスですが、地質学的な時間スケールで見ると、大きな変化をもたらします。

研究チームの推定によると、エベレストは過去89,000年の間に15〜50mも成長した可能性があります。これは、最新の技術を使えば測定可能な変化です。
エベレストの成長の謎は、75kmも離れた川の浸食作用によって解き明かされました。これは、地球のダイナミックな活動を示す興味深い事例と言えるでしょう。

編集部: