マッドサイエンス!? キノコでロボットを操縦できた! 最新研究で驚きの成果

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Outdoor photo of a robot with many mushrooms parasitizing its head is walking around

ロボットといえば金属やプラスチックでできているイメージですが、なんとキノコを使ってロボットを動かす研究が発表され、注目を集めています。一体どんな仕組みなのでしょうか?専門家の解説を交えながら、詳しく見ていきましょう。

バイオハイブリッドロボットとは?

コーネル大学の研究チームが開発したのは、「バイオハイブリッドロボット」と呼ばれる、生物と機械を組み合わせたロボットです。従来のロボットは、あらかじめプログラムされた通りに動くものがほとんどでしたが、バイオハイブリッドロボットは、生物の持つ能力を利用することで、より柔軟に環境に適応することができます。

なぜキノコなの? その驚くべき能力とは

研究チームが注目したのは、キノコの「菌糸体」と呼ばれる部分です。菌糸体は、キノコの本体とも言える部分で、地中に広がって栄養を吸収したり、子実体(いわゆるキノコの部分)を形成したりします。

菌糸体は、過酷な環境でも成長できるだけでなく、様々な化学物質や生物学的信号を感知して反応する能力を持っています。つまり、人間が予測できないような環境でも、キノコの力を借りればロボットが適切に対応できるようになるかもしれないのです。

研究チームは、クモ型ロボットと車輪型ロボットの2種類のバイオハイブリッドロボットを作成し、実験を行いました。ロボットには、菌糸体から電気信号を読み取るセンサーと、その信号をロボットの動きに変換するコントローラーが搭載されています。

実験の結果、菌糸体の電気信号によってロボットを歩かせたり、転がしたり、紫外線に反応して動きを変えたりすることに成功しました。これは、菌糸体が外部からの刺激を感知し、それに応じてロボットの動きを制御できることを示しています。

将来の展望は? 農業や環境問題解決にも期待

この技術は、ロボット工学だけでなく、農業や環境問題の解決にも役立つ可能性があります。例えば、土壌の状態を感知して肥料の量を調整するロボットや、汚染物質を検知して除去するロボットなどが開発されるかもしれません。

研究チームのリーダーであるRob Shepherd教授は、「この研究は、菌類を使ってロボットに環境感知と指令信号を提供し、自律性を向上させるという、多くの研究の最初のものです」と述べています。

キノコとロボットという、一見すると結びつかない組み合わせが、未来のロボット技術に新たな可能性をもたらすかもしれません。人間が作り出した機械と、自然が生み出した生物が協力することで、これまでにない革新的なロボットが誕生する日が来るかもしれません。今後の研究の進展に、ますます期待が高まります。