栃木県那須町は、関東有数の人気観光地として、毎年進化を遂げている。那須の雄大な自然のもと、アミューズメントスポットから、グランピングのできるアウトドア施設、アートやカルチャー、史跡、温泉、登山まで、子どもから大人の方まで満喫することができるスポットに溢れている。
またコロナ禍の現状でも人気を集めているのは、それらのスポットが新型コロナ対策をしっかりととっている一方、広大な那須という自然のもと、密になりづらいといった点でも安心できるからだろう。
そんな那須町の人気スポットについて現地レポート!
那須高原りんどう湖ファミリー牧場はイベント、アトラクション、牧場体験、キャンプまで
那須高原りんどう湖ファミリー牧場は、美しいりんどう湖を中心に牧場動物ふれあいや各種アトラクション、オリジナル乳製品などが楽しめるテーマパーク。自然とアトラクションを同時に、ゆったりと時間が流れる広大な敷地の中で楽しむことができる。
場内に入ると眼前には美しい湖が広がり、その後ろには那須山も見える勝景となっている。そしてすぐに目に入ったのは湖上の高いところを滑走する人のシルエット! これはりんどう湖上をワイヤーで滑空する「ジップライン~KAKKU~」で、片道220mは日本最長クラス、湖上滑空は世界初という代物。
長い距離だけにスリルに溢れている反面、美しい自然の中を飛ぶように滑空するのは、最高に気持ちが良いはず。
もっとまったりと楽しみたいという方は新規オープンとなる「Big wheel らんらんしゃ」もおすすめだ。りんどう湖から那須高原を見渡せる観覧車。同牧場の中でも高い場所に立っているので、絶景を楽しむことができる。他にも、りんどう湖ファミリー牧場はアトラクションが豊富なので、一日中楽しむことができるだろう。
また戦隊モノやアニメなどのショーもあるし、動物たちが牧舎に駆けて帰る様子を楽しめる「動物たちのGO!GO!ラッシュ!」もおすすめだ。ちびっこ牧場や、ふれあい広場にいる動物たちが走って牧舎に戻るのだが、走るアルパカはここでしか見られないかも。
りんどう湖花火大会も、8月7日から8月9日、8月12日から8月15日に開催されるので、こちらもぜひともチェックをしてみてほしい。湖面に映る花火は美しいの一言(8月花火大会有料観覧席は、7月27日14:00から販売開始)。
(参照)那須高原りんどう湖ファミリー牧場
〒325-0397 栃木県那須郡那須町大字高久丙414-2
那須どうぶつ王国は、びっくりする程近い距離で動物たちとふれあえる
動物系施設が多い那須町は、全国の動物ファンにとって聖地的存在だが、中でも人気なのが「那須どうぶつ王国」だ。東京ドーム約10倍の敷地に、アーケード型の「王国タウン」と、牧場形態の「王国ファーム(冬季閉鎖)」に分かれて約150種、700頭以上の動物を飼育している。動物たちをとにかく近い距離で見たり、ふれあったりすることができる。
実際に、動物たちとふれあってみると、とにかく感動の一言だ。カピバラ牧場ではのんびりと寝そべったり、水浴びをしたりするカピバラたち。100円の餌を買ってあげてみると、実に愛くるしく食べるのだ。
動物の餌やり体験は、カピバラだけではなく、アルパカ、馬、羊、ペンギン、アザラシなどでもできる。どの動物たちも自分の手から餌やりすると(スコップのようなものを使ってあげる)とても楽しい。
また現時点では出産ラッシュ後なので、プレーリードッグ、ペンギン、トナカイ、羊などの子供を見られる貴重なタイミングだ。成体よりも小さく、毛が柔らかい動物の子どもたちはとにかくキュート。
また、那須どうぶつ王国といえば「アジアの森」「ウェットランド」「熱帯の森」「保全の森」などの様々な環境に合わせた動物たちを見られるし、バード・ショーが開催されるのも見逃せない。これらの施設のすごいところは、やはり動物との距離感。足元を亀が歩いていたり、見上げるとジャガーがいたり、手の届きそうな距離でレッサーパンダたちがくつろいでいたりする。
また今話題となっているのがマヌルネコの新施設。クラウドファンディングの支援金を基に完成した同施設は、岩場や砂地、滝や池、針葉樹の植栽で生息地を再現。マヌルネコをより自然に近い姿で観ることができる。他にも幻の白いオオカミ・ホッキョクオオカミのりりしい姿や、砂漠に暮らす希少な野生ネコであるスナネコにも会うことができる。
(参照)那須どうぶつ王国
〒329-3223 栃木県那須郡那須町大字大島1042-1
那須温泉 ホテルエピナール那須は温水プールも温泉も楽しめる
今回宿泊したのは、那須高原を望む2棟からなる大規模ホテルが那須温泉 ホテルエピナール那須だ。自然の静寂に囲まれたロケーションでありつつ、温泉やプールなどの施設やネイチャーツアーなどのアクティビティーが充実した高級リゾートホテル。テラス棟(ペットホテル棟)も人気で、アクセスも良い。
宿泊した部屋はバルコニー付きの新ルームで、靴を脱いでゆっくりくつろげるほか、ゆったりできるソファや、寝心地の良いシモンズ社製のベッド付き。ベッドから見渡せる那須高原の眺望は最高で、窓を開けると高原のさわやかな風が入ってくる。これだけでも十分に癒やされる。
チェックイン後はすぐに温泉に。木々の緑と川のせせらぎに囲まれた大型露天風呂は那須高原随一の広さ。滝を間近で観られる露天風呂は、高温と低温に別れている。長風呂によい適温で、滝の心地よい音を聞きながらずっと湯に浸かっていることができる。
室内温泉も大きな湯船の大浴場、ジャグジー、檜風呂、テレビも付いた大きなサウナなど、これでもかという癒やしの空間。那須というと強めの泉質のイメージだが、こちらは単純温泉なので肌にも優しい。アメニティも充実しており、化粧水などの基礎化化粧品、ボディソープ類の品揃えもばっちり。
食事のバイキングプランも最高だった。60種類の和洋中メニューと、30種類のスイーツと種類は豊富。メニューは新鮮な那須の食材を取り入れており、新鮮な地元野菜をそろえたベジタブルガーデン、シェフが目の前で作ってサーブしてくれるライブキッチン、いずれも楽しく美味しい。美しい野菜寿司や、豚のキャラメル焼きといった豪華なメニューも。なぜか異常なまでにカレーうどんが美味しいことも付け加えておきたい。
また嬉しいところでは、館内アクティビティがチェックイン前、チェックアウト後も楽しめる。温水プール、パターゴルフ、ストライダー、多目的広場、陶芸体験、レンタルサイクルなど充実しており、これだけで一日中楽しめてしまう。ホテルエピナール那須は、一人旅にも良いが、ファミリーや女子旅にもおすすめだ。
(参照)那須温泉 ホテルエピナール那須
〒325-0302 栃木県那須郡那須町大字高久丙1番地
那須ロープウェイは登山する人もしない人も山を満喫
栃木県の最北端に位置する関東を代表する活火山「茶臼岳」。那須連山の主峰であり、今もなお、白い噴煙を噴き上げる活火山だ。そんな山を気軽に楽しむことができるのが那須ロープウェイ。
関東最大の111人乗りというロープウェイに乗り込めば、茶臼岳の9合目まであっという間に到達できる。残り1合の場所から登山をはじめられるので、本格的な装備なしでも、気楽に山頂に挑むことができてしまうのだ(注 とはいえ、ビーチサンダルやハイヒール等は厳禁。歩きやすい靴、動きやすい服装で。また山の環境は変わりやすく、危険と隣り合わせ。夏でも薄手の上着や、レインコートなどの雨具は持参したいところ)。
ロープウェイに乗り込んでみると、その空中散歩だけでも十分に楽しい。眼下にはボルケーノハイウェイや、関東平野の雄大な眺めが広がっている。那須茶臼岳は標高1915m、降りてみると夏場でもとても涼しい。真夏でも摂氏25度を越す事がなく、山登りをしなくても降りてすぐのあたりを散歩するだけで十分に、山の心地よい風を楽しめた。
また山肌のあちこちに平地では見ることができない高山植物もあり、そんな光景が心を和ませてくれた。
この日は登らなかったのだが、山頂駅から茶臼岳頂上までは徒歩で約50分。頂上からは天候が良ければ、磐梯山、日光連山、関東平野、筑波山などが望める360度の大パノラマが広がる。那須ロープウェイ付近の紅葉は10月上旬~中旬(年により変動)なので、そんな季節は紅葉で真紅にそまった景色を楽しめるはず。
那須ロープウェイは3月から12月(運行状況は要確認)に運行しているのだが、各季節ごとに違った景色を堪能することができる。3月なら雪に覆われた山肌から高山植物の若芽が顔をのぞかせ、5月にはツツジをはじめとした草木の花が山を彩る様子。7月なら緑に覆われた雄大な光景、9月なら秋支度をして少しずつ色づいていく植物たち。そんな四季折々の美しい姿を眺めることができる。
ちなみにお土産物売り場で売られいてる、ロープウェイ型のお菓子はとても可愛らしいのでぜひともチェックを。
(参照)那須ロープウェイ
〒325-0301 栃木県那須郡那須町大字湯本215
「那須とりっくあーとぴあ」は日本最大規模のトリックアートテーマパーク
トリックアートは、目の錯覚を利用して立体的に見えたり、角度によって見え方が違ったりする不思議なアート。その日本最大規模となるのが「那須とりっくあーとぴあ」だ。世界初のトリックアート美術館を創りだした株式会社エス・デーによる直営施設で、日本で唯一アトリエを持っているトリックアート美術館。そのため、制作現場を間近で観ることもできるのだ。
トリックアートは不思議で楽しいという魅力以外にも、見る人が参加して初めて完成する体験型であるという魅力も。そのため家族や友達と訪れれば、ずっと思い出になるような素晴らしい写真を撮ることができる。(公式サイトには魅力的なトリックアート写真の撮り方が紹介されているので、来館するまでにチェックしておくと良いだろう)
「ミケランジェロ館」ではミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ラファエロというイタリアルネサンスの3大巨匠の名作をつかったトリックアートが楽しめる。中でもバチカン市国にある世界遺産「システィーナ礼拝堂」を、5分の3スケールで手書きで再現した作品は圧巻の一言。ただ再現しただけではなく、その絵を眺めている人たちも、実はリアルに模した絵であるので二度びっくり。礼拝堂にはスタッフもいて写真撮影を気軽にしてくれるのも嬉しい。
友達や家族で楽しい写真をとるなら「トリックアート迷宮?館」へ。この施設はファンタジーやマジックなどの魔法の世界をモチーフにしており、ダイナミックかつ不思議なトリックアートにふれあい、体験することができる。またクイズなどの楽しく遊べる作品でいっぱいなので、子供たちにもうってつけ。たとえば、まるで自分が巨人のように大きくなったり(小さくなったりもする)、不思議な部屋「エイムズの部屋」など、旅の記念になる写真がたくさん撮れる。
「那須とりっくあーとぴあ」の嬉しいところは、ペット同伴もOKというところ。自分のペットをトリックアートで撮影できるので、ぜひとも愛するペットと一緒に訪れてみるのも良いだろう。
(参照)那須とりっくあーとぴあ
〒325-0304 栃木県那須郡那須町大字高久甲5760
那須にきたらぜひとも寄りたい、温泉、史跡
那須湯本温泉は開湯1390年前の歴史と栃木県内第一位の湧出量を誇る温泉。鹿の湯源泉は青白くに濁った硫黄の良い香りがするお湯で、鹿の湯をはじめ、周辺の旅館で入ることができる。旅館の多くが立ち寄り湯をしているので、ぜひともチェックを。
たとえば、書籍でテレビドラマにもなった人気作『日本ボロ宿紀行』でも取り上げられた雲海閣や、様々な湯船を楽しめる山快など、いずれも最高のかけ流しのお湯を立ち寄りで楽しむことができる。また周辺の温泉を備えない民宿のいくつかでは、近隣の人たちとそこに泊まった人しか入れない共同浴場に入ることができるため、温泉ファンの憧れにもなっている。
山を登っていけば映画『テルマエ・ロマエ』の撮影も行われた他、水木しげるやつげ義春も好んだ北温泉旅館も。江戸・明治・昭和三代の木造建築が現役で使用されており、昔を色濃く残す自炊もできる湯治宿。温泉プールもとても楽しい。
湯本に来たら殺生石と温泉神社への参詣も。
殺生石は、硫黄の匂いと岩が転がる荒涼とした風景が広がる景勝地で、「九尾の狐」にまつわるミステリアスな史跡としても知られている。御神火祭(ごじんかさい)という火祭りや、那須温泉神社から練り歩く松明行列、実際のカップルによる神前婚「狐の嫁入り」、九尾太鼓の奉納なども。那須旅行に忘れられない思い出を作ってくれるだろう。
またこの殺生石と鹿の湯の間にあり、那須湯本でも特に重要なスポットが那須温泉神社(ゆぜんじんじゃ)。狩野三郎行広が白鹿を追っていた最中、自らを温泉の神と名乗る老人に、鹿が谷間の温泉で傷を癒やしていることを伝えられ、山中に湧く温泉を見つけた。そして温泉の神から「万病をなおして甚だ効あり」「万民の病苦を救うべし」と言付かったという、那須温泉のルーツとなる由来が伝えられている。
那須与一が屋島の合戦の折に成就を祈願し、見事に扇の的を射抜いた逸話があるため、必勝祈願のご利益があるとされている。商売繁昌、家内安全、病気平癒、身体健全、縁結びなどのご利益とも伝えられており、厚い信仰を集めている。
(参照)那須温泉神社(ゆぜんじんじゃ)
〒325-0301 栃木県那須郡那須町大字湯本182
殺生石
栃木県那須郡那須町大字湯本182