長野県白馬村の観光といえば、スキー・スノーボードシーズンの冬という印象を持つ人も多いだろう。だが、それ以外のグリーンシーズンで、春夏秋ごとに異なる魅力を持つことが知られている。
そして現在のコロナ禍の中においても、白馬村の観光はアウトドアが中心のため、3密になりにくく、今注目されている国内観光スポットの一つだ。
これから秋の紅葉シーズンを迎える白馬村の魅力を現地で取材した。
白馬村でアクテビティ 青木湖SUPに巨大アスレチック!
白馬村は青木湖、八方尾根を有する唐松岳、鎌池湿原などの広大な自然がある一方、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている白馬村青鬼集落(あおにしゅうらく)、それに塩の道だったことから多くの史跡等の見どころを有する。またそばや肉などのグルメ、温泉など、あらゆる楽しさが詰まったところだ。
スキーやスノーボードの以外にもアウトドアの聖地であるために、「パタゴニア 白馬/アウトレット」「THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA」「Snow Peak LAND STATION HAKUBA」などアウトドアブランドも、続々と大型店舗をオープンさせている。そういったブランドが力を入れていることからも、逆に白馬のポテンシャルを感じることができるだろう。
そんなアウトドアアクティビティの取材として、筆者が訪れたのが青木湖と白馬EXアドベンチャー(巨大アスレチック)。
青木湖は長野県内で透明度が一番高いと言われている湖で、カヤック、ラフトボート、SUPなどを楽しめる。夏にはホタルを、秋には紅葉と、季節ごとに一味違った景色を楽しめるのも人気の一つだ。
今回は、国内で老舗のSUP(スタンドアップパドルボード)ガイドとして知られるMauka outdoor(マウカアウトドア)の、ツアーに参加。
青木湖は透明度が高いため、岸から離れても湖底が見え、さらに大きな鯉が悠然と泳ぐ姿にもたびたび遭遇。SUPの三分の一もあろうかという巨鯉とすれ違うとドキッとする。他にも小魚の群れなどが見えた。鰻がよくいるというスポットも案内してもらったが、この日は残念ながら見えなかった。
ただ鰻が住処にしているというところなどは、青い水の中に木々が沈んでおり、その光景だけでも実に美しい。
時折SUPを降りて泳いでいると、足元にこぽっと冷たいものがあたる。青木湖の水は大部分が湧水だと言われており、その湧水が自分の足に当たるのだ。その感触も不思議で気持ちが良い。
青木湖はエンジン船が禁止のため、とにかく静かな自然を楽しむことができる。実際、SUPで湖面を漂っていると、海でも川でも味わえない静謐な美しさがあり、水系のアクテビティが好きな筆者としては夏や秋に再訪を誓った次第だ。こんな環境でホタルや紅葉を観られるのは最高の気分に違いない。
(参照)
Mauka outdoor
青木湖のSUPツアー以外にも、安曇野万水川ダウンリバー、上級者向け犀川ダウンリバーツアー、ヨガSUPツアーなども開催している。
白馬EXアドベンチャーは、10を超えるエレメント(遊び)が連なる2つのコースを自由に遊べる。地上8~12メートルの高さに設置されたロープや板の上をバランスを取りながら進んでいくエキサイティング体験ができる。
筆者はこのアスレチック自体は体力的にきつかったのだが、ZIPラインとバンジージャンプは楽しかった! バンジーは高さも少ないので興味があるけれど怖くてできない、そんな風に思っている方にはおすすめ。筆者も人生始めてバンジージャンプを体験できた。
(参照)
白馬EXアドベンチャー
長野県北安曇郡白馬村北城12111
白馬村はグルメも最高 そば、肉、B級グルメも
白馬村観光は食ももちろん楽しめる。
冷涼な気候と清らかな水、澄んだ空気からできるおいしい蕎麦の産地として知られており、そば祭りがあるほど。お蕎麦屋さんのそば祭りや、この時期だけ食べられる地元のそば祭りなどがある。
白馬駅からも近い松庵で蕎麦を食べたのだが、たしかに絶品。筆者のような素人でもわかるほど、蕎麦の香りが豊かでそして素晴らしいのどごし。こんな美味しい蕎麦を揚げたての天麩羅と食べられるのは幸せこのうえない。
こんな美味しい蕎麦屋が十数軒もあるようで、蕎麦好きなら白馬村で蕎麦を食べ歩きが楽しめるだろう。
蕎麦ではちょっと物足りないという人は、白馬村の肉を楽しんでもらいたい。白馬村のSPF豚、また長野の信州プレミアム牛肉をスーパーに行けば見つけられるし、飲食店や宿泊施設で楽しむことができるだろう。
今回筆者は、ホテル型コンドミニアムのマウンテンサイド白馬に宿泊、ここでは自炊ができるので白馬村のSPF豚で生姜焼きを作ったのだが、豚の脂身が上品に甘く最高に美味しかった。キャンプやバーベキューをする人は、ぜひとも白馬産ミートをチェックしていただきたい。白馬村の中心地「A・コープ白馬店ハピア」では白馬産の肉を購入することができるのでおすすめだ。
白馬産の肉というわけではないが、地元のスノーボーダーなどに人気があるという「炭火焼肉 深山」にも行ってみた。ハツ刺しは新鮮で甘みと食感を楽しめ、ホルモンもロースなどの赤肉もどれも美味い。
また激辛地獄豆腐という少々甘めだが最高に辛いタレ、しかもグツグツとわきたったこのメニューも絶品。これだけでご飯が何杯も食べられてしまうという代物で、ホルモントッピングがおすすめだ。
白馬村で昼間にアクテビティで身体を動かしまくった後の焼き肉はやっぱり最高! 人気店のため入れないこともあるので予約した方が無難だろう。
B級グルメを楽しみたいという方は大黒食堂のソースカツ丼を味わってみてはいかがだろうか。長野県はソースカツ丼文化が強いのだが、大黒食堂は長野県内でも隠れた名店として知られているところ。
大町市のレジェンドソースカツ丼店・昭和軒の系譜を引くというもので、ご飯は自家栽培コシヒカリ、味噌汁の味噌も漬物も自家製。揚げたてカツが美味いのはもとより、お米がとにかく美味い。カツがなくとも漬物と米だけで食べられそうなほど。
ジューシーなロースカツ、そして濃厚なソース、そして豊かな味のするお米、たしかに名店と呼ばれるのも当然かもしれない。そしてあっさりと野菜の甘味が強いラーメンも、カツ丼の合間に最高だ。
(参照)
松庵
長野県北安曇郡白馬村 北城2297−1
https://shoan.shinshudining.com/
マウンテンサイド白馬
長野県北安曇郡白馬村 北城 4313-1
https://thehakubacompany.com/ja/accommodation/mountain-side-hakuba
上質なフローリングのリビングダイニングで、長期滞在にもおすすめ
大黒食堂
長野県北安曇郡白馬村神城23319
白馬村には温泉がたくさん どこもかしこも美肌の湯
白馬村は温泉天国としての側面も。天然水素温泉の白馬八方温泉や、空気に触れると茶褐色に変化する白馬塩の道温泉など全6つの源泉が湧き出ており、それらの厳選を引いた入浴施設がいくつもある。
筆者が訪れたのは野天岩風呂の「おびなたの湯」。八方から白馬大雪渓へ向かう途中約3kmにある源泉に一番近い施設で、天然水素泉としてアンチエイジングの効果が期待できるという。
何よりも白馬の深い自然の中、外で入るお湯はとっても気持ちがいい。アルカリ性温泉のためツルッとした感覚で、入っていると肌がやわらかくなっていくような体感ができる。
ちなみに白馬で温泉めぐりをするなら、「温泉共通入浴券」がお得。村内の道の駅、観光案内所などで購入できる。価格は1冊2,000円で、1冊で2,500円分の入浴料として使用できるという ※5/3~5、8/13~15、12/31~1/3は利用不可。
(参照)
おびなたの湯
長野県北安曇郡白馬村大字北城八方9346−1
https://hakuba-happo-onsen.jp/obinatanoyu/
これから秋にかけて山からベルトのように紅葉が降りてくるのが観られるという白馬村。観光はもとよりワーケーションにも良いだろうし、春夏秋冬のオールシーズンを楽しめる国内随一のスポットとしてぜひともチェックしてみていただきたい。