1食で1日に必要な栄養素の1/3を含んだ(1日3回食べれば1日分)完全食タイプながら、手軽なカップやきそば式で食べられると大ヒットした『All-in PASTA(オール イン パスタ)』に続き、今度は中華・アジアタイプの味わい3種類で登場したのが『All-in NOODLES(オール イン ヌードル)』。パスタは正直、苦味の目立つものもあったが、今度はどうなったのだろう?
13種類のビタミン、13種類のミネラル、たんぱく質、食物繊維が配合されているまるでサプリのような麺!
売り切れ続出の大ヒットとなった『All-in PASTA(オール イン パスタ)』。その特徴は茹でた時に流出しやすいビタミンやミネラルをパスタの芯の部分に閉じ込める「栄養ホールドプレス製法」(特許出願中) だった。
その発想は素晴らしく、面倒臭がり屋にとって、一日の栄養バランスをきちんととること自体が面倒極まることだっただけに、”これさえ食べれば大丈夫”という完全食、しかもカップ麺スタイルというのは非常に感動した。
ただ実際に食べてみると、よく味わうほど苦味を感じるものもあり、最高に美味というわけにはいかないという結果だった。もちろんビタミンなどのサプリメントをかじったことのある人ならわかると思うが、それに比べればはるかに食べやすいのだけれど。
そうして登場したのが、中華・アジア系汁なし麺メニュー3種類となった日清食品『All-in NOODLES』(希望小売価格 税抜600円・2019年8月19日発売※麺だけ袋入り製品税抜400円もあり)だ。それでは1つずつ食べてみることにしよう。
卵黄だれが不自然さを包み込む良い仕事をしている
『All-in NOODLES 卵黄だれとラー油をきかせたコク旨油そば』
作り方の基本はカップ焼きそば。麺にかやく(チャーシュー、ネギ)をあけて、熱湯6分と長めにフタ上で液体だれを温めつつ待ち、湯切り。フタの湯切り口を湯入れ前に押し上げておくように指示されている。熱くなってからでは触りにくいからだ。
通常カップ焼きそば・汁なし麺との違いは、麺をほぐすためのオイルが入っていること。指定の場所を押さえてしっかり湯切りをしたら、まずはオイルでまんべんなく麺をほぐしていく。とはいっても別に固まっているわけではないので楽。
そして最後に液体だれと濃厚さがインパクトの卵黄だれを混ぜ込んでいくことで混ぜそば完成だ。さっと一口食べると、モチモチとした麺の食感が素直に美味しい。「All-in」特有の麺の苦味も、卵黄だれがうまくカヴァーして感じにくくしている。
混ぜそばとしてはシンプルなラー油感がメインに来て、そこに酢をきかせたしょうゆベースの基本的な味わい。普通に美味しい。ただ麺を噛めば噛むほどやはりビタミンB感のある味わいはする。
ただよくよく考えてみると、普段そんなに麺をしっかり噛んでラーメン系を味わっていないことを思い出した。もちろんそのまま飲み込むわけではないが、それほどしっかり噛んではいない。
そこでいつもの噛むペースで味わうと、途端に美味しさが倍増する。ラー油は見た目ほどには辛くなく、濃厚な旨味がしっかり出ていて、美味しい。ただ、なぜかしょっぱい。さながら街の定食屋のおかず並みの、ご飯を食べさせたいおかず的なしょっぱさ。それが食べ続けている間、一番辛かった。
好きな人ならバッチリだが苦手な人には鬼門!
『All-in NOODLES パクチー香るトムヤムまぜそば』
もともとタイやベトナム系統のパクチーの効いた甘じょっぱいアジアンテイストは得意ではなかったが、日清食品の「カップヌードル」で食べやすくアレンジされた数々の製品でだいぶ慣れてきており、それほど苦手ではないかもと思っていた今日この頃である。
しかし『All-in NOODLES パクチー香るトムヤムまぜそば』は、本気だった。なんの忖度もない、強烈なアジア味。レモングラスの清涼感とココナッツミルクのコクをきかせたトムヤムソースと別添の乾燥パクチー、唐辛子で作り上げた、甘くもしょっぱい独特テイストなのである。
かやくは小さなエビ。あまりにも小さくて、湯切りの時に1匹逃げ出したくらいである。
これ、好きな人はすごく喜ぶと思うが、アジアンテイストが苦手な人は決して手を出さないほうがいい本格派の味と香りだ。記者は正直、ここまで本気だと太刀打ちできない。
みんな大好き汁なし担々麺タイプ!
『All-in NOODLES ごま香る濃厚担々まぜそば』
練りごまをぜいたくに使った液体だれと別添の花椒スパイスで「担々まぜそば」として成立させたのが『All-in NOODLES ごま香る濃厚担々まぜそば』。みんな大好き担々麺味ということで、かなり期待してしまう。
かやくは味付豚ミンチにチンゲンサイ。最後の液体だれをかき混ぜている段階で、濃厚なゴマ風味が立ち上がり、実に美味しそう。見た目はほぼミートソースのように見えるが、実際に食べてみるとしっかり中華。そしてタンタン。今度は濃いめの味の濃厚ゴマが、麺の不自然さをカヴァーする。
ただこれもやはり、しょっぱい! 白飯を入れてちょうどいいのではないのかと思うくらい。このしょっぱさ、味の濃さに慣れているコンビニ舌の人でもしょっぱいと感じるレベルだ。なんでこの設定?
しょっぱさを気にせず、しっかり噛みすぎなければ、きちんと美味しい!
しょっぱさレベルは謎だが、軽く噛むことを意識して食べると非常に美味しいラインナップ(『All-in NOODLES パクチー香るトムヤムまぜそば』は記者的には鬼門だったが)。これで完全食というのは、やはり心強いのではないだろうか。