NYカルチャーの発信地、ブルックリンのウィリアムズバーグにある蒸留所、それがブルックリンブルワリー。そこにはビール技術者だけでなくミュージシャン、アスリート、シェフ、作家、科学者などが在籍しているという。今回はそんなカルチャー感あふれる場所から生まれた『ブルックリンサマーエール/ 同ソラチエース/同ラガー』を飲み比べしてみたい。
醸造所の数だけクラフトビールの味はある! アート、音楽を支援し続ける個性派ブルワリーが生み出した味とは?
ルーツは1980年代、AP通信記者スティーブ・ヒンディが自宅で醸造を開始したところから始まった。そうして生まれたホップ感の際立つBROOKLYN LAGERが人気を博し、英国バンドのマネージャー出身のビール職人ギャレット・オリバーをチームに迎え入れて1996年に誕生したのがBrooklyn Brewery。
気がつけば通常のブルワリーとは違い、文化人がスタッフとして参加する特異な醸造所となっていたのだという。クラフトビールを生み出す小規模醸造所の中でも個性派で、特徴的な味わいとともに、その名は世界に轟いている。
そんなカルチャー感あふれる中から生まれたキリンビールによるブルックリン・ブルワリー社ブランド製品、夏季限定の『ブルックリンサマーエール』。その発売を記念して、同シリーズの『ブルックリンサマーエール ソラチエース』『ブルックリンサマーエール ラガー』とともに飲んでみたい。3種類とも個性が強い味!
夏の渇いた喉に最適化!
『ブルックリンサマーエール』
かすかにフルーティな香りの混じったビール。ブルックリンラガーの印象を残しつつ、夏向けに仕上げられている印象。強すぎない炭酸と適度な苦味が飲みやすい。喉の渇きやすいシーズンにうってつけのサマービールになっている。
原材料は麦芽・ホップ。アルコール分5%。ビアスタイルは金色〜銅色の水色が特徴のイギリス発祥アメリカ育ちのペールエール。
飲食店とDRINX限定で夏限定・数量限定で販売されている商品だ。
日本産ホップとの相性は?
『ブルックリン ソラチエース』
こちらも原材料は麦芽・ホップのみというストイックな仕立て。アルコール分は7%と少し高めとなる。北海道空知郡(そらちぐん)が起源のホップ「ソラチエース」を使用しているのが特徴で、2018年10月から北海道限定で発売していたものが、好評につき全国展開になった。
キャップを開けると酸味が少し強い不思議な香りがやってくる。なかなかにクセが強い。グラスに注ぐと豊かに泡立って、ビールらしさを見せてくれるが、飲むとやっぱりクセが強い。薄めの水色で酸味が強いが、後味はさっぱりくる。
いわば飲みこなすことができるかどうか、飲み手の力量が問われる味わいである。最初の一口でわかると思う。慣れるとクセになるのだろうか。
ビールは文化だ!
『ブルックリンラガー』
これがシリーズの基本形ということになる。原材料は麦芽・ホップのみというのは同じ。アルコール分は5%という標準ビールタイプ。麦芽の苦味とホップの華やかな香りが際立ち、フィニッシュにカラメル麦芽の風味という仕立てはさすが。
製法としてはビールの発酵・熟成工程で、厳選したホップを入れることで、こうなるのだという。
水色の黄金色がきれいなのに心を打たれる。なるほどこれは万人がおいしいと感じられるビール味。キレがあって麦芽のいい香りがして炭酸強め、という特徴はドライビール慣れしている日本人にも向いていると思う。
後味スッキリながらも、舌にビールの心地いい余韻が残る。これぞ定番。まずはここから始めるのが王道な気がする。
入手は全国のタップ・マルシェをはじめとする飲食店とネットショップ、キリン公式オンラインショップ DRINXで可能だ。