寒いので自動販売機で飲み物を買う。そのうち甘い味やお茶に飽きて、しょっぱいものが欲しくなる。よくある「コーンスープ」でもいいのだけれど、もっときちんとしょっぱいスープ感が欲しい時に、探しても選びたい個性派スープ缶3種をピックアップ!
カレーは飲み物を実現したカレー缶、ソースとして人気のデミグラス缶、高級スープの代名詞・フカヒレも!
自販機にはしょっぱい系が少なすぎる! と寒空の下で怒っている人のために、個性派スープ缶が続々登場しているので紹介したい。何もかも自販機で済まさずにコンビニに行けばいいのに、という意見は置いておいて、自販機という限られた枠内で勝負するストイックなスープ感の味わいを検証する。
フェリシモ『神戸発 飲むカレー CARRY CURRY トマトカリー』
1缶170g×3缶セット・希望小売価格 税抜1,140円・2018年10月27日発売※現在売切販売中止中だが、公式サイトで予約開始予定
ファッション雑貨中心に個性的アイテムも取り揃えるフェリシモがJR西日本と提携して生まれた海外向けインターネット販売事業「EVERYTHING FROM.JP(エブリシング・フロム・ジェーピー)」にて発売したところ、あっという間に売り切れてしまって販売中止になってしまった、いわくつきの持ち運んで飲めるモバイルカレー缶が『神戸発 飲むカレー CARRY CURRY トマトカリー』。
近日中に公式サイトで予約開始予定で、届くのは3月ごろというレア缶だが、何とか入手できたので、その味をレポートしたい。キャッチフレーズに”常温で飲める”とあったので、温めたバージョンと常温バージョンで飲んでみる。
温めバージョン
スクリューキャップの缶を開けると、ふんわりと香る本格カレーの香り。やろうと思えば最近流行のちびだら飲みもできるリキャップ可能タイプ。まずチキンカレー系スープカレーのようなスパイシーな芳香に、驚く。トマトの匂いはあまりしない。飲んでみると、喉奥が辛ッと焼けるタイプの強めのスパイシー。サラサラ飲めるのはいいが、その分辛さも結構くる。トマトカリーと言いつつ、結構基本のカレー味。
でも非常に美味しい。コクと旨味がしっかりあって、まさに飲むカレー。ご飯が欲しくなってしまうくらいきちんとカレー。これを歩きながら飲めるとは、凄い時代になったものだ。
常温バージョン
常温でもOKとのことで、チャレンジ。冬場ではあるが室内なので、冷え切っているというほどではない。ただちょっと常温カレーは飲むのに勇気がいる。つまり冷めちゃったカレーということでしょう? しかもそれを飲むというんだから、想像がつかない。
では実際に飲んでみよう。なるほど、冷たくなると途端にトマトが前に出てくる。すごくトマトカレー。そのせいか、あまり違和感を感じずに、トマトジュースのはるか延長線上にある気がして、普通に美味しい。これは意外。楽しい。
いつでもどこでも猛烈な「カレー欲」に駆られてしまう人々に向けて、おやつ感覚で楽しめるカレー缶。国産トマトピューレと国産たまねぎで仕上げて、常にバッグに忍ばせられるようにというコンセプトだという。
ポッカサッポロフード&ビバレッジ『じっくりコトコト 濃厚デミグラススープ』
飲むカレーがあるのなら、飲むシチュー(当たり前だが)があってもいいのではと思う人のための、デミグラススープの濃厚ビーフシチュー味のスープ缶。美味しさに定評のある「じっくりコトコト」シリーズのスピンアウト商品として誕生した期待度MAXの商品『じっくりコトコト 濃厚デミグラススープ』。
リキャップ可能なアルミ缶のスクリューキャップをひねると、真冬の暖炉の前で味わいたくなる本格シチューの香り。これはビーフ感がしっかり香りにも出ている。とろりとしたテクスチャーのそれをごくりと飲むと、傍らにフランスパンが欲しくなるビーフシチュー感。
ハンバーグのソースとしてもおなじみのデミグラス(ドミグラス)ソースは玉ねぎ、トマト、赤ワインを溶け込ませたソースにビーフの旨みを加えるためにじっくり煮詰めるものだが、確かにこれはデミグラス以外の何物でもない。
牛肉を食べたくなってしまうけれど、歯ごたえの残るオニオンの旨味でどうか勘弁してもらいたい。実に美味しい、温まる、濃厚で力強いコクのあるスープで、小腹解消にも最適。
JR東日本ウォータービジネス『acure 気仙沼産ふかひれ使用 ふかひれスープ』
JR東日本で通勤・通学する人にはかなりおなじみな駅ナカ自販機のacureブランド。自販機のラインナップも街なかで見かけるものとちょっと違っていて、実に楽しい。その中で異彩を放っているのが、『acure 気仙沼産ふかひれ使用 ふかひれスープ』。
中華料理の高級食材として知られる大型サメのヒレ部分、ふかひれ。そのスープを自販機で買って飲んでしまうとはかなりシュールだと本場の中国の人も驚いてしまうのではないだろうか。
実際に近年acuaの自販機ではスープ飲料の売り上げが好調ということで、たどり着くべくしてたどり着いたのが、この永谷園と共同開発したふかひれスープ。
さすがに本物のフカヒレの食感は味わえない。そこが残念だが、それを補ってあまりある中華感。実際に粉末で気仙沼産のふかひれが0.1%使用されているというのに、気迫を感じた。もうプルタブを落とした瞬間から、目の前のテーブルが回転しそうな飯店フレーバーが飛び出してくる。
その良い匂いを嗅ぎながら、ごま油の香ばしさとともに味わう複雑な味わいの中華スープ。トロッとした味わいはコラーゲン揺らいだとは思うが、自販機製品でしっかりニンニクを入れてくれたことにスタンディングオベーションを送りたい。もう、余計にお腹がすくくらい美味しい。すぐに駅前の中華料理店に走り出したくなるくらい。
入手は自動販売機などで可能。寒い季節のホットドリンクは定番だが、ホットスープは小腹に泣く胃袋まできっと満たしてくれるはず!