“翼を授ける”エナジードリンクとしてタイで生まれオーストリアで育った『レッドブル』が2005年に日本に登場してから、はや10年超。もはや気合いを入れる現場で薬局売りの精力ドリンクよりも積極的に飲まれているエナドリ。そこにまたしても新顔『リアルゴールド ロケットスタート』『RAIZIN CLEAR』が登場した。そこで基本のエナドリ「レッドブルエナジードリンク(アルミボトル)」と比較してどういう個性を打ち出しているのかを検証したい。
三者三様のキャラクター付けで翼の授け方が全然違う!
エナジードリンクに人は何を求めるのだろうか。それは疲れてきたなと思い始めた時の栄養補給、元気付け。さらにパワーと湧き上がるエネルギーとパフォーマンス能力のアップだろうか。
「レッドブル」が先行し、海外で飲み過ぎによる事故の事例も話題となった「モンスターエナジー」が2大巨塔として君臨し、近年、2018年4月に日本初上陸した「キックスタート」(サントリー)、天然水とミックスしたサントリー×スノーピーク「南アルプス PEAKER(ピーカー)ビターエナジー」(サントリー)、エナドリにウォッカを掛け合わせた「KiiVA ENERGY VODKA(キーバ エナジー ウォッカ)」(キーバ)、カフェイン飲料の代表を混ぜてしまったコーラ×カフェイン「コカ・コーラ プラスコーヒー」(コカ・コーラ)、蛍光水色がSNS映えして話題となったmatsukiyoオリジナル「EX STRONG」など、そのラインナップは加熱する一方である。
もちろん学生か社会人か、職種や業種、性別、時間帯によってもどういう元気が欲しいかは違ってくると思う。そこで今回は基本のエナジードリンクである「レッドブルエナジー」と比較しながら、その特徴を検証。より適した元気のつけ方を探っていきたい。
基本のエナドリが「ちびだら飲み」に対応!
レッドブル・ジャパン『レッドブルエナジードリンク』
コーヒー1.3杯並みのカフェイン105.6mgを含有しバチっと目を覚まさせ、成長に関わる準必須アミノ酸・アルギニンを396mg、疲労回復に関わるビタミンB群を3種類、エネルギー産生のためのビタミンBの仲間・ナイアシンを9.9mg含んで仕上げた『レッドブルエナジードリンク』。これはその威力をさらに高めるべく増量した製品である。
糖質制限ダイエット・ブームよりも前に流行していたために糖質35.6g(151.8kcal)と高糖質な作りだが、カフェイン&ナイアシンでカーッとくる飲み心地が魅力。炭酸自体は弱めだが、その砂糖とブドウ糖の甘みとアルプスの湧水で仕上げた酸味の際立つ味仕立ては、風味自体にファンがつくほど。電子タバコ製品のVAPEでもレッドブルを意識したフレーバーは大人気である。
残業時にもうひと頑張りと飲むためには早い時間でないと、帰宅してから眠れなくなるので注意。高糖質な分、体を動かさないと肥満の原因にもなる。でも脂肪と引き換えにそこはかとないパワーを与えてくれるということから、愛飲者は多い。まさに基本のエナジードリンクだ。そしてリキャップ可能なので、現在流行のちびだら飲みにも対応。ちょっとずつ元気をつけることも可能だ。
夜をスタミナたっぷりに生き抜きたいなら、これ!
コカ・コーラシステム『リアルゴールド ロケットスタート』
救急車で運ばれた時にとりあえず点滴されるのがブドウ糖。そう考えるとブドウ糖12.5mgはまさに飲む点滴そのもの。強壮剤として人気のガラナエキス、高麗人参エキス、ローヤルゼリーの三羽ガラスが何とも夜のパワーに貢献してくれそうな味わいを奏でる。ともすると酒でも入ってるんじゃないかと思うくらいのクセの強さ。だがそのクセが逆に効きそうな雰囲気を醸し出すのもエナドリの特徴だ。
定番薬局売りドリンク剤の名前の由来にもなっているアスパラギン酸はエネルギー源としての利用されやすさが利点のアミノ酸。免疫力に貢献することから花粉症の季節には対策サプリメントが出てくるヒスチジンも17.5mg配合。そう、ばい菌やウイルスにやられている場合じゃない緊急時には頼り甲斐があるということだ。
コカ・コーラシステムなのでカフェイン量は明記されていないが、ガラナエキスにはもともとカフェインが豊富に含まれているので、しっかり目覚めることは可能だ。
大人にうれしいシャンパンテイストと糖類ゼロ、優しいエナジー成分
大正製薬『RAIZIN CLEAR』
亀梨和也出演CMでシーンに登場した、ビジネスパーソン向け新炭酸飲料エナドリシリーズ「RAIZIN」から登場した『RAIZIN CLEAR』。特徴的なジンジャー風味は、本来の辛いジンジャーエールを思わせる味の仕立て。エナドリの中ではクセが少なく、すっきりとした味わいが特徴。大人世代が日常的に味わいたくなる風味。
すでにシリーズでは「RAIZIN ZERO」というメタボリック世代に優しい糖類ゼロ・カロリーゼロ商品をリリース済みだが、そこにもう少し華やかなシャンパンカクテルのような風味を追加。甘味料は現在のところ江部康二医師の糖質制限ダイエット食でも推奨されているエリスリトール(米国製)を主体に使用しているのがうれしい。
優しい味わいだがカフェイン量は49.5mgとコーラ類と同等、コーヒーの半分程度と、とかくカフェイン過剰になりがちな現代人には適切か。
脂肪とコレステロールを代謝に関わるイノシトール、『レッドブルエナジードリンク』同様エネルギー産生に関わるナイアシンや疲労回復に関係するビタミンB群を2種配合している。体内合成の出来ない9種類を含むアミノ酸の宝庫・ローヤルゼリーに、体を温めるショウガ抽出物を加えた、そろそろ加齢で傷み始めた世代に適した華やかエナドリ。佐藤オオキ率いるデザインオフィス「nendo」がクリエイティブディレクションを担当したパッケージデザインも美しい。
この『RAIZIN CLEAR』のみ、ファミリーマート・サークルK・サンクス(一部取扱いの無い店舗有)他での発売となる。
入手はどれも全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで。