ちびちびダラダラ、キャップをしたり開けたりしながら長時間かけて飲む”ちびだら飲み”需要に焦点を当てて大ヒットした2017年の「クラフトボス」以降珍しくなくなったペットボトルコーヒー。そこにコーヒー好きが熱視線を送るタリーズブランドも加わった。『TULLY’S COFFEE Smooth taste ESPRESSO(タリーズコーヒー スムース テイスト エスプレッソ)』である。
コーヒー党苦味派閥の支持するタリーズブランドはペットボトル化でどうなった?
全国コーヒーチェーンとしてお馴染みのタリーズコーヒー。その缶コーヒーの発売元はお茶の名門・伊藤園。これまで缶コーヒー界では、酸味を抑え苦味がギリリッと効いた味わいで、記者をはじめとする苦味党の人間に熱い支持を受けてきた。他の缶コーヒーが酸味を重視する中で、なかなかに珍しい味仕立てだったからだ。
そんなタリーズが時代の潮流に乗って、初めてペットボトルコーヒーにチャレンジしたのが、『TULLY’S COFFEE Smooth taste ESPRESSO(タリーズコーヒー スムース テイスト エスプレッソ)』(500ml・希望小売価格 税抜139円・発売中※ファミリーマート・サークルK・サンクス限定)である。ブラックではなくエスプレッソ系のラテということで、どうなっているのか非常に気になる。
ちなみに缶コーヒーとペットボトルコーヒーは、製法に大きな違いがある。法的に缶コーヒーの場合は缶に詰めた後に加熱殺菌処理を行わなくてはならず、風味が飛びがち。なので香料を追加するメーカーが大半を占める。
ところがペットボトルコーヒーはその規制を受けないために、適切に管理すれば香料なしで風味を損なわず作ることができる。より店頭で味わうコーヒーに近い味となる可能性があるのだ。
では実際に飲んでみよう。ボトルはお馴染みのペニャペニャタイプ。キャップを捻る時に思い切り握ると中身が飛び出すので注意が必要だ。開栓するとふわっとしたエスプレッソベースのミルキーな香りが鼻をくすぐる。グイッと飲むと、やはり薄めのちびだら飲み最適化タイプ。それでもエスプレッソの芳香とミルクの混じり合う香りはレベルが高い。
喉越しもさらりと飲み込むと、喉奥からエスプレッソの良い香りがするが、苦味はあまり感じない。記者的にはもう少し苦くてもいいと思うが、世間的には主流のペットボトルコーヒーの流れを汲んだ味わいだ。
微糖タイプとのことだが、甘さは控えめ。砂糖を控えることが微糖なので、缶コーヒーの場合はレギュラー製品よりも人工甘味料を使い甘さを強く仕上げることが多いのだが、これは文字通りの微糖。砂糖を少なめに使ってミルクで仕上げて、ギリギリの薄さで無香料で香ばしさを作り上げた。
確かにオフィスのデスクの片隅に常にあり、ちびっとずつ飲むのに適したクセの強すぎない味わい。薄いのにタリーズ特有の苦味がちょっと距離を置いて存在する絶妙な味仕立て。タリーズ好きなら一度は試してみたい。
入手は全国のファミリーマート・サークルK・サンクス限定で可能だ。