初めて「おどろき麺0」を食べた時、ラーメンとは似ても似つかないのに、そのくらげ的な寒天麺が意外に美味しく、しばらくハマっていた。当時は「香ばし醤油麺」と「 酸辣湯麺」の2種。ということで次第に飽きが来て忘れてしまったのだが、あのまま続けていれば自分のフォルムはきっと変わっていたに違いない。そんな中、再びやる気に火をつけるかのように『おどろき麺0(ゼロ) 旨だしカレー南蛮』が登場した。
糖質オフ系のあらゆる不自然さを飲み込むカレー味がついに「おどろき麺0」に。しかしその成果は…疑問符。
目下大ブームの糖質制限ダイエット/ロカボ食。食品に含まれる糖質の摂取量を抑えて、スリムで健康になろうという目論見だ。自然と小麦粉でできた麺を使用するラーメンは、その日から敵になる。ところが近年は様々な形で糖質をカットした麺を使用した糖質オフカップ麺も充実してきた。
通常は糖質量の多い小麦粉の麺に糖質の低い小麦たんぱくや食物繊維を練りこむか、小麦粉の代わりに大豆を使用することによって、糖質オフを実現する。だがその風味は各社努力はしているが、なかなか絶品の味わいは実現できていない。パンでもない限り小麦粉はそんなに主張のない味と香りの印象があるが、実はものすごく重要なものだと、糖質制限をして初めて知った人も多いのでは?
そんな中、昔から糖質オフではあるけれど、どうしたって小麦粉麺にはならないと半ばさじを投げられていたのが、こんにゃく麺。そもそもスープを吸わない特性が、無理がある。寒天麺というのもあるが、それはどうにも食感がボロボロになりがちで、これもまた無理組に組み込まれていたものだ。
しかし「おどろき麺0(ゼロ)」シリーズは、その二つをドッキングさせることで驚きの食感を生み出してしまった。しかも糖質ゼロ。最初味わった時は、明らかにラーメンの麺とは異質というのに気づいたが、それでも美味しく感じたのは、最初に食べたのが「おどろき麺0(ゼロ) 酸辣湯麺」(※同時にパッケージリニューアル)だったからだろうか。
この酸味が、味覚センサーに伝わると、その食感が中華クラゲ料理に結びついた。つまりラーメンは中華味なので、奇跡のように美味しく感じたのだ。なので今回のアサヒグループ食品『おどろき麺0(ゼロ) 旨だしカレー南蛮』(19.6g・実勢価格 税抜228円・2018年9月10日発売)には期待ではち切れんばかりだ。
中の小袋にはクラゲのような麺とスープが別袋に入っているので、寒天麺だけをカップにあけて、熱湯を注いで5分待つ。人情的にフタをしたくなるが、フタはしないのがお約束。
5分経って粉末スープを入れてかき混ぜると、いい感じにとろみが生まれてくる。では、いただこうか。あれ?
とても美味しいカレースープである。しかも濃厚だし、ネギと肉そぼろというかやく構成も非常に良い。カツオだしのきいたスープは非常に美味しい。麺は特有のくらげライクなもので食感が楽しい。
しかしその二つが合わさると、なんとも言えない不協和音が…。そう、カレーにくらげは合わないのだ。想像してもあまりトッピングにくらげを入れたいと思わないが、それがそのままここにある。
記者は期待しすぎたのかもしれない。美味しいカレースープで、春雨の仲間のようにライトに麺を味わえば、もっと素直に美味しいと言えたのかもしれない。でもそれは後の祭り。なのであまり過度に期待しなければ、十分に美味しいと思う。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。