そのガツンとしたヘヴィーな食感と低カロリー・高たんぱく質でダイエット実践者や健康志向の人々に人気絶大な「ギリシャ・ヨーグルト」。2011年の「パルテノ」で日本の食卓に登場してからもう7年、「小腹をかしこく黙らせる」をキャッチフレーズに2015年に登場し、コンビニから人気に火がついた「ダノンオイコス」など、改めて主要5メーカーの「ギリシャ・ヨーグルト」を食べ比べてみた。
水切り製法で作られたハードタイプのヨーグルト。スプーンを逆さにしても落ちないクリームチーズのような濃厚さでお腹をしっかり満たしてくれるとヘルシーな間食のトップ地位に!
小腹が空いた時にどうするかというのは、ダイエット実践者やヘルシー志向の人々にとって永遠の命題。ジャンクフードを食べるのは気がひける、しかしあまりにさっぱりしたものではお腹の虫が泣き止まない。そんな時にうってつけの救世主として2011年の日本に現れたのが「ギリシャ・ヨーグルト」である。
その特徴は半固形ともいうべき濃厚さ。ヨーグルトを布を使い水(乳清※ホエイ、水分)を切って作ることで、高タンパクの塊が出来上がる。最近の傾向としては脂肪もゼロまで除いてしまうのも人気。ただそのために食感は、クリームチーズ/カッテージチーズのようでいて”水分を持っていかれる”感があるのが特徴。ただ各社、リニューアルとともにそうした食べにくい特徴を解決しているので、近年の「ギリシャ・ヨーグルト」は非常に食べやすくなった。
もともと脂肪が少なく低カロリーな「ギリシャ・ヨーグルト」。しかも高たんぱく質という特徴から、カロリー制限などで脂肪とともに失われがちな筋肉組織も維持できるということで、ニューヨークの健康意識の高い層から人気に火がついたもの。クリームチーズやカッテージチーズの代用として使えることもあり、非常に便利なヨーグルトである。
日本では2011年に「パルテノ」ブランドが発売となり、2015年の「ダノンオイコス」でも再注目、今ではスーパーの棚の一角を占める巨大勢力に!
それでは5ブランドの「ギリシャ・ヨーグルト」を食べ比べていきたい。各々のキャラクターがわかりやすいように、今回は全て「プレーン・タイプ」を使用した。
元祖日本のギリシャ・ヨーグルト、ソースを下に入れる文化を開拓!
森永乳業『濃密ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用』
日本で「ギリシャ・ヨーグルト」が初登場したのは2011年の「パルテノ」(森永乳業)だった。なので日本のギリシャ・ヨーグルトの歴史そのものとなる。ギリシャのDELTA FOODS SAよりライセンスを受けて製造。
「3倍濃縮」を旗印に、スプーンですくって逆さにしても落ちないというその特徴は、強力なインパクトがあった。さらに通常、フルーツソースなどはフタをめくった瞬間に目立つように上にのせられていたものだが、この「パルテノ」がソースを下に敷いて、フタをめくっただけでは真っ白、ほじくり出して初めて「ああっ」となる傾向を作り上げた。
実際に食べてみると、脳内に刻まれているギリシャ・ヨーグルトの味わいはこれだと感じる。発売当初に食べたときよりもリニューアルを繰り返して、その度どんどん美味しくなっていった印象がある。今回食べて、もう完璧な美味しさに感じたのはリニューアルのおかげか、自分がギリシャ・ヨーグルトに慣れたのか。
程よい軽めの酸味がクリームチーズではなくヨーグルトであるということを感じさせ、クリーミーな味わいが口いっぱいに広がる。そして舌の縁に沿って酸味が広がる。この濃厚さはたまらない。今回は比較のために無糖のまま食べたが、意外といける。
問題の水分持ってかれ問題は、多少はあるが同時に水分を保持するような感覚もあり、バランスは悪くない。まさにザ・ギリシャ・ヨーグルトといった趣き。匂いも気にならない。初心者がまず最初の一つに選ぶのもベストか。
一般層に広くギリシャ・ヨーグルトの魅力を知らしめたコスパ製品!
イオントップバリュ『トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン』
普及の段階で、コストパフォーマンスの良さは大いなる牽引力となる。そういった意味で、2015年に安価に登場した『トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン』の意味はある。とはいえ、そのギリシャ・ヨーグルトとしての特徴はしっかりと。通常ヨーグルトの3倍濃縮もしている上、脂肪ゼロに落とし込んだ。
正直クセはあるが、これこそがギリシャ・ヨーグルトの原型ではないかというシンプルさを感じる。クリーミーさもあるが、水分持ってかれる感は最高レベル。プレーンで食べるのはきつい。しかし公式サイトでセロリとともに写真に写っていることからもわかる通り、アレンジして食べるものだと思う。
シリアルと一緒に、チーズの代用として料理に、という使い方が一番適していると思った。
あと3種類も味わっていこう。
おしゃれパッケージとコンビニ・ダイエットを手軽にした立役者!
ダノンジャパン『ダノンオイコス 脂肪ゼロ プレーン・砂糖不使用』
1個100kcal未満で、小腹を撃退してくれるというダイエット実践者にうれしい特徴でコンビニの棚に定着したのが「ダノンオイコス」。デザイン性の高いセレブ感のあるパッケージで、カラフルな新味が多く出ているのも特徴。インスタ映えも一番。脂肪もゼロだ。
テクスチャーは表面が滑らかなムースタイプ。水分持ってかれ感はあるが、随所にあいた小さな穴が和らげてくれる。固形度はひときわ高く、クリーミーだが甘くない。でも食べやすい。酸味はほぼ気にならないレベル。ヨーグルト臭もほとんどない、ある意味独自路線。
もちろん食べれば小腹どころか、普通腹も満たしてしまう勢い。腹持ちも非常に良い。ダイエット時の代替食材としてもこのプレーンタイプはかなり優秀な部類に入るだろう。
中高年に強い郷愁を感じさせるこの味わいは!?
明治『明治THE GREEK YOGURT プレーン』
「ギリシャ・ヨーグルトの本流」と位置付けるニューフェイス。昭和のニューミュージック女王・松任谷由実がCMソングを手がけ、脂肪ゼロと高たんぱく質をこだわり製法と独自乳酸菌で実現したという『明治THE GREEK YOGURT プレーン』。後発組ということもあってか、カロリー制限は60kcalと低めに抑えられている。
食べてみると、甘味なく、酸味あり、それでいて美味しく感じるのは、昭和世代がこよなく愛した明治の瓶入りヨーグルト(※現在は入手不可)の風味を感じるからか。独自乳酸菌というのはつまり、そういうことなのだろうか。なので昭和生まれの人は郷愁の分だけ美味しく感じるに違いない。
生クリームのようなテクスチャーが特徴のスイーツ的味わい!
日本ルナ『グリークヨーグルト クレンマ プレーン』
日本ルナとは、日本ハムのグループ会社。後発系ではあるが、ギリシア人製造技術者による直伝製法で製造、ギリシア人製造技術者指定の機械を導入、ギリシアでも使用されている乳酸菌を使用というギリシャ度の非常に高い商品作りをしているのが『グリークヨーグルト クレンマ プレーン』の特徴だ。
本物に近い=食べにくい? という予測を持っておっかなびっくり食べてみた。フタをめくると乳脂固形分がフチに付着している。見るからに濃厚。これは相当水分を持っていかれるかと覚悟して食べたが、あれ、あまり持ってかれない。
テクスチャーは生クリーム。ミルク臭さもきちんとあり、余計に生クリームのような気がしてくる。食べた口の中は、ほぼスイーツを食べたときのようだ(もちろん甘くないが)。その際立つデザート感にテンションが上がる。カロリーオフの甘味料を使えば、そのまま生クリームの代用としても使える気がしたからだ。
ギリシャ・ヨーグルトのバリエーションが増えて、好みの味が見つかりやすくなった!
ギリシャ・ヨーグルトはダイエットやヘルシーさを求めて食べる人も多いだろうが、歴史を積み重ねるに従って、独自の美味しさを発揮するようになってきた。これはうれしい驚きである。低カロリー、低脂肪、高たんぱく質、腹持ちがいいというヘルシー要件を満たしながら、美味しく食べられるのだから、もう言うことはない。
あえて言うなら、料理の素材としてバンバン使うなら『トップバリュ ギリシャヨーグルト プレーン』がコスパ的にも向いている。単独でもしっかりした美味しさを味あわせてくれるクリーミーヨーグルトとして万人向けなのが『濃密ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用』、スタイリッシュにダイエットしたいなら『ダノンオイコス 脂肪ゼロ プレーン・砂糖不使用』、昭和生まれなら『明治THE GREEK YOGURT 砂糖0』、スイーツとしての魅力を感じたいなら『グリークヨーグルト クレンマ プレーン』といったところだろうか。
進化したギリシャ・ヨーグルトで、ヘルシーなカラダを手に入れよう。