“つくり手”と“飲み手”の交流によって進化し続ける新しいビールの形。それは「SPRING VALLEY BREWERY(SVB)」の名でリアル店舗を展開している一種のコミュニティー。そこから生まれた『ほうじ茶ブラウンエール』は、ビールの旨味にほうじ茶を加えるという大胆な新機軸ビールだ。
ビールの原材料となったのは大麦麦芽、ホップ、スターチ、そして焙じ茶!
そんな「SPRING VALLEY BREWERY(SVB)」は東京・横浜・京都に店を構えており、そのうちの京都SVBのヘッドブリュワー(醸造家)である三浦太浩が、SVBの新たなスタンダードを目指して1年間かけてファンの声を聞きつつ生み出したのが、キリングループ/スプリングバレーブルワリー株式会社『ほうじ茶ブラウンエール』(330mlびん・市場想定価格 税込約388円・2018年6月21日発売)である。
流れとしては、ビールの新たな形を追求する「USB」というプロジェクト名で、2017年3月31日に発表したプロトタイプ(試作品)「Umami Session Brown #1」がはじまり。そして何杯でも飲み続けたくなる“旨味”に着目、「#1」では昆布、「#2」は煎り玄米、「#3」と「#4」ではほうじ茶といった副原料を加えたプロトタイプを造り上げた。
その「#3」と「#4」のプロトタイプをさらにほうじ茶感をアップさせて作られたのが『ほうじ茶ブラウンエール』。なかなかに大変な道のりを辿ってきたビールのようだ。以前は何かしらを混ぜるとビールとは呼べなかったが、今年4月の酒税法改正で正真正銘ビールと名乗れるようになった。
最近あまり使ってなかった”栓抜き”を探すのに手間取ったが、早速開栓して飲んでみたい。
香りは爽やかで香ばしいエールビールの香り。もっとほうじ茶感が強いのかと思ったが、あくまでハーモニーの一部なので、気にならない。というか、香ばしさをうまく際立てている。
水色を見るためにグラスに注いでみると、何とも怪しげな濁りっぷりの濃いめの黄金色。泡立ちも手作り感が半端ない。何となく警戒心を煽る光景だ。
ところが一口飲んだら、その気持ちはひっくり返った。ふわっとした旨味と甘みが押し寄せて、キリッとした苦味が引き締める非常に味わい深いタイプのビールだったからだ。言われなくてはわからないが、知っているのでそのロースト感に一役買っているのがほうじ茶とわかる。
言ってみれば、そんなに冷やさなくても美味しくいただけるタイプのドイツ系の旨味たっぷりビールという趣き。とはいえマニアックな感じではなく、誰が飲んでも美味しいと感じられるだろう明快な美味しさがここにある。ある意味ビール臭さをほうじ茶が中和しているので、嫌いな人も飲みやすいのでは?
アルコール分は4.5%。麦芽とほうじ茶の生み出すハーモニーが、グビグビよりもチビチビ飲みたくなる旨味ビール。これはゆったりしたひとときに味わいたい特別なとっておき。
入手はキリン通販サイト「DRINX」 で330mlびん×6本セット(税込2,332円)で製品を入手するか、もしくは「スプリングバレーブルワリー東京/横浜/京都」の各店舗にて、レギュラーサイズ(360ml・税込880円)で飲むことができる。