トランプ大統領や出川哲朗同様、記者もコーラが大好きだ。しかし近年のPEPSIの印象は正直地味。そこで本国アメリカとは別に日本オリジナルで開発されたのが、日本のコーラ・ファンに向けた『ペプシ Jコーラ』。100名超のコーラ好きの声から生まれたという新ブランド、果たして起死回生の一撃になるか!
何のフルーツ感か特定できない怪しい味とスパイス加減というコーラの原点に立ち返ったペプシにスタンディングオベーション!
サントリー食品インターナショナル『ペプシ Jコーラ』はレギュラー、ゼロカロリーまでは普通だが、カシス風味のミッドナイトというひねりを加えた3種ラインナップ。パッケージには葛飾北斎の浮世絵モチーフの波のイラストを用い、製品名ロゴ自体も筆文字というなかなかにヤンキーテイスト、もしくはドンキテイストを感じさせるデザイン。
確かにコーラはあまりお行儀の良い飲み物でもないので、こうした方向性は間違っていない気もする。実際に製品コンセプトは”お祭り”だというし。パリピ的に楽しく飲むためのコーラになっている模様。ではそれはどのような味わいで実現しているのか。3種類を順番に試していく。
これぞコーラ味のど真ん中
『ペプシ Jコーラ(レギュラー)』
近年の「ペプシコーラ」といえば、レギュラーラインでもレモン味が強めの印象。それだけに生粋のコーラ好きとしてはその分コーラ感が減るように感じていた。しかしこの『ペプシ Jコーラ』はうれしいことに酸味はしっかりあるものの、明らかなレモン感は控えられた。
そう、コーラの醍醐味は薬臭さとも形容されがちな、様々なフルーツのミックスしたカラメル味。それがどの果物と感じてしまうのは、コーラとしてはそのまま弱みになる。正体不明のフルーツ感こそが、コーラの美味しさという一面があるからだ。
その点この『ペプシ Jコーラ』、往年のペプシ味を彷彿とさせる程よい酸味だが特定しにくいシトラス感とスパイス感が際立つ王道コーラとなった。ただ薬臭さは控えめ。でもしっかりコーラとわかる怪しげな香り。もちろんレギュラータイプなので有糖。果糖ブドウ糖液糖に砂糖を加えたガツンとした甘さ、カフェインとともに体に決して良くはない美味しさに溢れている。やはりコーラはこうでなくちゃ。
きりりとストイックな一面を見せる硬派な
『ペプシ Jコーラ ゼロ』
とはいえメタボなコーラファンにとってはレギュラーはあまりに罪深い。ということで重要な役割を果たすのが『ペプシ Jコーラ ゼロ』。一口飲んだところで気づくのは甘さが控えめなこと。ゼロカロリー甘味料を使ったドリンクはともするとレギュラーより甘くなることも多いのだが、これはレギュラーをストイックな印象に引き締めたタイプのまとめ方。
香りも控えめでフルーツ感が少なくスパイス感を強めた味わい。ビリビリの炭酸とともに、大人のためのコーラという印象を抱いた。とはいえこれは有糖レギュラーを飲んだ後なので感じてしまうこと。最初にこれを飲めば、そんなに不自然さは感じないだろう。
甘みは大方のゼロコーラで採用されているアスパルテームを中心にスクラロースで砂糖感を出して仕上げるタイプ。キレの良さを重要視する人なら気にいるかも。
真夜中味はカシス味。妖しさ全開の
『ペプシ Jコーラ ミッドナイト』
問題作(?)がこのミッドナイト味。ナイトシーンにうってつけの味を目指したのだそう。ミッドナイト味はカシス味。キャップをひねると確かにカシスの香りがして、コーラだとは思わない。何というか、行きすぎた「ドクターペッパー」のようなカシスの酸味と味が、今までにない味を感じさせる。
確かに真昼間には似合わない、カクテルライクな味仕上げ。ジンやウオッカあたりを投入したくなる、まさに夜の味。ちょっとワイルドな髪の色をした大人女子に似合いそうな妖しい味わいが面白い。
コーラ味の王道を極めたレギュラー、ストイックな味わいのゼロ、妖しさ全開のミッドナイト、ペプシがついに原点回帰でコーラのお楽しみをわかってくれた!
コーラ・ファンとしてはかなり飲みごたえのあるラインナップ。どこか怪しい味がする黒いドリンクという、決してヘルシー感は感じさせないコーラの本来の持ち味に着目した仕上げ方は大歓迎だ。パーティーシーンにぴったり来る、このちょっぴり自堕落なこの美味しさ。葛飾北斎の波頭のイラストがぴったりくる祭り感。改めてテンションあげて楽しみたいひとときにぴったりなラインナップである。
全国のスーパーや自販機、コンビニで入手可能だ。